WindowsとLinuxのファイルリストアをAzure Backupを使ってやってみた
Azure Backup(Recovery Services コンテナー)を使ったAzure Virtual Machine(VM)のファイルリストアをやってみました。
ファイルのリストアは、ディスクのリストア(Azure Portalで実施)、各OSにリストアしたディスクをマウント(自動生成されたスクリプトで実施)、ユーザ自身がファイルコピーする形で実施します。
今回はファイルリストアをWindowsとLinux(Cent OS)の2パターンでやってみてます。
Azure BackupのリストアではVMのファイルリストアもできる
Azure VMのリストアについては4パターンあります。そのうちの1つにファイルリストアがあります(図の赤枠)。
※個人的にはAzure BackupからのVMリストアはすべてディスクのリストアで、それをVMまで戻すのか?ディスクまで戻すのか?という区分と理解しています。ファイルリストアの場合はディスクリストア+VMへのマウントまでがセットになっていると理解しています。
Azure VMのリストアパターン | |
【MS社公式サイト記載の図】 |
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VMのリストア(新規作成) |
バックアップから新規Azure VMを作成するリストア方式になります。リストア後は新規VMとリストア対象のVM(既存VM)の2つのVMがあります。新規作成されたVMのディスクNIC、IPは新規に払い出しされます。既存のVMには何の変更はされません。 |
VMのリストア(既存を置換) |
バックアップから既存Azure VM(リストア対象のVM)のディスクを置換するリストア方式になります。リストア後はリストア対象のVMのみがあります。VMのディスクがリストア後のディスクと置き換わる形式になります。 |
ディスクのリストア | バックアップからディスクを作成するリストア方式になります。リストア後のディスクからVMの作成等が可能です。 |
ファイルのリストア |
バックアップからディスクを作成とAzure VMマウント用のスクリプトが生成されます。このマウント先のディスクからファイルコピーを行い復旧します。 ※なお、作成されたディスクの有効期限は12時間です。(Azure上で管理されている為、Azure Portal上でディスク自体が直接見える事はありません。 |
※注意点ですが、ファイルのリストアの転送速度は1GB/時間が上限になっています。その為10GB以上リストアする場合はファイルリストアを使わずに、ディスクでリストアした後にAzure VMへディスクアタッチ、OS上でマウントという作業が必要になります。
Azure VMのシステムバックアップからリストアまではこちら。
ディスクのリストアはこちら。
Azure Backupを使ってファイルリストア
Windows Serverのファイルリストア(Azure Portal)
Windows Serverでファイルリストアを実施します。
前提条件はAzure VMのバックアップ済みである事になります。なおファイルリストアはAzure VMがオンラインの状態で実施します。リストアにあたって再起動等は発生しないので一般的な使い方の場合は安心して実施出来ます。
Windows Serverのファイルリストア(OS上)
OS上でリストア作業を行います。スクリプトを実行すると自動的にディスクマウントがされます。そこからコピーする形でリストアします。
Linux(Cent OS)のファイルリストア(Azure Portal)
Linux(Cent OS)でファイルリストアを実施します。まず前提状況としてはAzure VMのバックアップ設定をしておきます。なおファイルリストアはAzure VMがオンラインの状態で実施します。リストアにあたって再起動等は発生しません。
実施手順 | |
バックアップ項目でファイルの回復を選択します。 ※本画面までの遷移はWindowsの場合を参照ください。 |
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バックアップされファイル回復の設定をします。回復ポイントを指定した後に、スクリプトのダウンロードを選択します。 |
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スクリプトのダウンロード画面が表示されますのでダウンロードします。 | ![]() |
実行用のパスワードが自動的に生成されていますのでコピーします。 | ![]() |
Linux(Cent OS)のファイルリストア(OS上)
OS上でリストア作業を行います。スクリプトを実行すると自動的にディスクマウントがされます。そこからコピーする形でリストアします。
実施手順 | ||
ダウンロードしたスクリプトファイルをFTP等でVMにアップロードします。新規にファイル作成してファイルの中身をコピーでもOK。 ※今回は/tmpの下で実行しています。 |
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スクリプトファイルはPythonになります。コマンド実行します。 |
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足りないパッケージ(iSCSI)がある場合は確認メッセージが表示されます。Yを入力するとパッケージインストール後に、スクリプトが実行されディスクがマウントされている事が分かります。
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実行完了後に、dfコマンドでマウント状況を確認します。/tmpの下にマウントされている事が分かります。実際にlsコマンドで確認すると、リストアされている事が分かりました。後は戻したいファイルをcpコマンド等で戻します。
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Azureバックアップセンターについてはこちら。