SendGridアカウント作成後からメール送信開始までに必要な設定(認証,API Key発行)

2020-10-24Azure,SendGrid

SendGridアカウント作成後、メール送信を開始するまでに必要な設定手順です。
送信者認証(Single Sender Verification)、ドメイン認証(Domain Authentication)の設定やAPIキーの発行などの手順を紹介します。

SendGridでメール送信を行うには、認証が必要です。
送信するメールアドレス単体で行う認証(Single Sender Verification)または、送信するメールドメインでの認証(Domain Authentication)のいずれかが必須となります。
メール送信時にはAPIキーを利用します。

Azure Marketplace経由でのSendGridアカウント作成手順については、こちらの記事で紹介しています。
SendGridのアカウント登録までの手順については、こちらで確認しています。

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SendGridの認証設定手順

SendGridの認証には、送信者のFromメールアドレスで認証する送信者認証(Single Sender Verification)と、DNSレコードを利用して認証するドメイン認証(Domain Authentication)の2つの方式があります。

送信者認証(Single Sender Verification)の設定手順

送信者のFromメールアドレスで認証を行う方式です。
登録したメールアドレスからのみメールを送信できるようになります。
主にテスト用途などでの利用が想定されています。

送信者認証(Single Sender Verification)の場合、SPFレコードなどの送信ドメイン認証設定は行われていません。
そのため、Gmailなどのメールプロバイダーに送信した場合、迷惑メールとして扱われたり、ブロックされたりする可能性があります。

送信者認証(Single Sender Verification)
アカウント作成後に認証設定を行うように表示されます。
Create Sender identityを選択します。
またSender AuthenticationのメニューからSingle Sender VerificationのGet Startedを選択します。
Twilio SendGridのwelcome画面(Cerate Sender identity)
Twilio SendGridのSender Authentication設定画面(Single Sender Verification開始)
Create a Senderの画面です。
送信者として認証するメールアドレスや送信者名などを登録します。
必須項目を入力した後にCreateを選択します。
Single Sender Verification設定画面
認証用のメールが送信された旨のメッセージが表示されます。 Single Sender Verificationメール送信完了画面
From Email Addressで設定したアドレスへ認証メールが届きます。
Verify Single Senderをクリックして認証します。
Sender Verification Mail(Verify Single Sender)
認証が完了したメッセージが表示されます。 Sender Verified画面(Twilio Sendgrid)
Sender Authenticationの画面でSingle Sender Verificationを確認します。
STATUSがVerifiedとなっています。
DOMAINには認証を行ったメールアドレスが表示されます。
FromやReply Toの設定や認証の状態が確認できます。
Single Sender Verification完了後の設定画面(Sender Authentication)
Single Sender Verification完了後の画面(Single Sender Verification画面)

ドメイン認証(Domain Authentication)の設定手順

ドメイン認証(Domain Authentication)の設定について説明します。
ドメイン認証を設定する際に、Link Branding(トラッキング用URL)の設定も同時に実施することが可能です。

※今回はLink Brandingも同時に設定しています。
※ドメイン認証自体ではDMARC設定は必須ではありません。迷惑メールとして扱われないようにするためには、設定しておくべき重要な項目になります。

ドメイン認証(Domain Authentication)
左側のメニューからSender Authenticationを選択します。
Domain AuthenticationのGet Startedを選択します。
Sender Authentication画面(Domain Authentication)

DNSサーバーの確認と、Link Brandingに独自ドメインを利用するかどうかの確認を行います。

※Azure DNSの選択肢が存在しなかったため、Other Hostを選択しています。
※Link BrandingはYesを選択しています。

Authenticate Your DomainでDNSやLink Brandingを選択(Domain Authentication)
認証を行うドメインを設定します。 Authenticate Your Domainでドメインを設定(Domain Authentication)

DNSに設定するドメインのレコードが発行されます。
DNSにてレコード設定した後に、Verifyを選択します。

メールドメインとしての認証レコード4件と、Link Branding用の認証レコード2件、計6件のレコードが表示されます。
下2件のレコードがLink Branding用です。

設定するDNSレコードおよび認証(Domain Authentication)
認証完了のメッセージが表示されます。 ドメイン認証完了画面
Sender Authenticationの画面で、Domain Authenticationの状態を確認します。
STATUSがVerifiedとなっています。
Link Brandingも同様に、STATUSがVerifiedとなっています。
ドメイン認証およびLink Branding設定完了後のSender Authentication画面

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SendGridのAPI Key発行手順とメール受信確認

API Keyの発行手順

SendGrid経由でメールを送信する場合は、API Keyを利用します。

API Keyを発行する手順
API KeysのメニューでCreate API Keyを選択します。 SendGrid API Keyの画面(API Keyの発行を開始する)

API Keyの名前を設定します。
発行するAPI Keyの権限も設定します。
メール送信に利用する場合は、Restricted Accessを選択し、Mail Sendのみを許可したAPI Keyを発行します。

※割り当てる権限は必要最低限にします。

Twilio SendGridのAPI Keyの権限設定画面
API Keyの権限設定画面(操作個別に権限付与をする)(Restricted Access)

API Keyが発行されます。
API Keyはこのタイミングでしか表示されないため、必ず控えておく必要があります。

※API Keyは再表示できません。

API Key発行画面

メール受信確認(SPF、DKIM、DMARC)

SendGrid経由でメール送信を行い、受信したメールを確認します。
受信先のメールアドレスにはGmailアドレスを利用しています。

ドメイン認証の場合、SPF、DKIM、DMARCのすべてがパスしていることを確認できました。
一方、送信メールアドレスでの認証(Single Sender Verification)を利用してGmailアドレスへ送信した場合は、以下のメッセージでブロックされていました。

Unauthenticated email from “Single Sender Verificationで設定したメールアドレスのドメイン" is not accepted due to domain’s DMARC policy. Please contact the administrator of “Single Sender Verificationで設定したメールアドレスのドメイン" domain if this was a legitimate mail. To learn about the DMARC initiative

※SendGridの管理画面のActivityで確認すると、Blockと表示されています。
※メール送信環境は別途準備します。

メールの受信確認
ドメイン認証の場合はSPF、DKIM、DMARC共にPASSとなっています。 Gmailでの受信チェック画面(ドメイン認証時)

Logic Appsのワークフローを利用してメール送信する手順については、こちらで紹介しています。

メール送信に関わるその他の設定

そのほかにもメール送信に関わる設定があります。
IP Access Management設定を利用すると、アクセス元のIPアドレスを制限できます。

※IP Access Managementは誤って設定すると、管理画面にもアクセスできなくなるため注意が必要です。

メール送信に関わるその他の設定
Mail Settings内の各設定項目はデフォルトではDisableになっています。バウンスメールやスパムメールに関する設定項目があります。 Twilio SendGrid(Mail Settings画面)
IP Access Management機能を利用することで、アクセス元のIPアドレスの設定・制限もできます。 IP Access Management設定画面(Twilio SendGrid)
IP Access Management設定の注意事項(Twilio SendGrid)
アラート通知の設定もあります。
サマリレポートの送信設定もこちらから行うことができます。
Twilio SendGrid(アラート通知設定画面)

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最後に

今回は、SendGridアカウント作成後にメール送信を開始するまでに必要な手順を確認しました。
送信者認証(Single Sender Verification)およびドメイン認証(Domain Authentication)の設定手順についても確認しています。
また、API Keyの発行手順についても確認しました。

メール受信確認では、送信者認証(Single Sender Verification)の場合、SPFレコードなどの設定がないため、Gmailアドレスではメールがブロックされることが確認できました。

引き続き、いろいろ試してみたいと思います。

PowerShellのRunbookからSendGridを使ってメール送信する手順については、こちらで紹介しています。

Zabbixのアラート通知をSendGrid経由でメール送信するための手順については、こちらで紹介しています。

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