Azure マネージドディスクの種類・冗長性・性能・価格まとめとDiskSpdでのベンチマーク
Azure Managed Disks(マネージドディスク)に関する情報のまとめです。
概要、種類、冗長性、サイズ、リージョナル(regional)とゾーナル(zonal)の違い、パフォーマンス、価格などの項目について整理しています。
また、DiskSpdを利用してマネージドディスクの性能(IOPSやスループット)を測定しています。
※本記事では、Azure Virtual Machines(Azure VM)を仮想マシンと表記しています。
※本記事では、一部を除きAzure Managed Disksをマネージドディスクとして表記しています。
※IOPSの測定にはDiskSpdを使用しています。
Azure Managed Disks(マネージドディスク)について
概要
Azure Managed Disks(マネージドディスク)は、Azure上の仮想マシンが利用する“ハードディスク”に相当するリソースです。
仮想マシンとは別のリソースとして管理され、利用者はディスクの性能、容量、冗長性などを選択し使用します。
マネージドディスクは3重化(トリプルレプリケーション)されており、信頼性が高く、サイズや性能の拡張も容易です。
スナップショットやAzure Backupなどのサービスを使うことで、簡単にバックアップやリストアを行うことができます。
暗号化などのセキュリティ機能も充実しています。
※非常に簡略化した説明です。詳細は必ず公式サイトの情報をご確認ください。
Azure Managed Disksの新規作成から仮想マシンへ追加までの手順については、こちらで紹介しています。
種類と主な利用用途
仮想マシンで利用できるマネージドディスクは、5種類あります。
Ultra Disk、Premium SSD v2、Premium SSD、Standard SSD、Standard HDDがあります。
| 種類 | 主な利用用途 | 備考 |
| Ultra Disks | 高トランザクション/低レイテンシが必須のワークロード向け。 高性能のデータベースなどでディスク性能を求めたい場合に利用します。 容量・IOPS・スループットを任意に設定できます。 OSディスクとしては利用できません。 |
マネージドディスクの中で最高性能となっています。 ディスクキャッシュがサポートされないなどの制限があります。 |
| Premium SSD v2 | レイテンシで高くIOPS/スループットが必要なワークロード向け。 データベースなど高性能なディスクを求めたい場合に利用します。 容量・IOPS・スループットを任意に設定できます。 Premium SSDより高性能でコスト効率が改善されています。 OSディスクとしては利用できません。 |
ホストキャッシュがサポートされないなどの制限があります。 |
| Premium SSD | レイテンシで高くIOPS/スループットが必要なワークロード向け。 ミッションクリティカルな本番環境などで利用します。 OSディスクとして利用できます。 |
ディスクレベルでのバーストに対応しています。オンデマンドバーストにも対応しています。 |
| Standard SSD | 低コストでレイテンシ許容度の高いワークロード向け。 可用性の許容度が高い開発/テスト環境向けなどで利用します。 OSディスクとして利用できます。 |
ディスクレベルでのバーストに対応しています。 |
| Standard HDD | 低コストでレイテンシ許容度の高いワークロード向け。 可用性の許容度が高い開発/テスト環境向け。 デーや補完 OSディスクとして利用できますが、リタイアが予定されています。 |
2028年9月8日にOSディスクとして利用できなくなります。 |
種類の変更
Premium SSD、Standard SSD、Standard HDDの場合は、それぞれの間で種類を変更することができます。
一方で、Premium SSD v2やUltra Diskは種類を変更することができません。
また、既存のディスクをPremium SSD v2に変更することができます。
ただし、多くの制約事項があるため注意が必要です。
既存のディスクをUltra Diskへ変換することは、現時点ではサポートされていません。
スナップショット経由での変更になります。
| 種類 | 直接指定して変更 | スナップショット経由での変更 |
| Ultra Disks | 不可 | Standard HDD、Standard SSD、Premium SSD、Ultra Disk |
| Premium SSD v2 | 不可 | Standard HDD、Standard SSD、Premium SSD、Premium SSD v2 |
| Premium SSD | Standard HDD、Standard SSD、Premium SSD v2 | Ultra Disk |
| Standard SSD | Standard HDD、Standard SSD、Premium SSD v2 | Standard HDD、Standard SSD、Premium SSD、Ultra Disk |
| Standard HDD | Standard HDD、Standard SSD、Premium SSD v2 | Ultra Disk |
※Premium SSD v2やUltra Diskへの変更は、OSディスクはサポートされない、論理セクタサイズ512が必須など多くの制限事項が存在します。
冗長性
マネージドディスクは既定で3重化されており、ディスクデータを複数のコピーとして保存します。
冗長性のオプションとして、LRS(ローカル冗長)とZRS(ゾーン冗長)から選択できます。
LRS(ローカル冗長)の場合は、1つのデータセンター(ゾーン)内で3つのコピーを保持します。
ZRS(ゾーン冗長)の場合は、複数の可用性ゾーンにまたがって3つのコピーを保持します。
なお、マネージドディスクは、99.999%の可用性を維持するように設計されています。
LRS(ローカル冗長ストレージ)の場合は99.999999999%(年間11ナイン)、ZRS(ゾーン冗長ストレージ)の場合は99.9999999999%(年間12ナイン)の耐久性(データの損失率)が保証されています。
| 種類 | LRS(ローカル冗長) | ZRS(ゾーン冗長) |
| Ultra Disks | 〇 | × |
| Premium SSD v2 | 〇 | × |
| Premium SSD | 〇 | 〇 |
| Standard SSD | 〇 | 〇 |
| Standard HDD | 〇 | × |
※ZRS(ゾーン冗長)は、可用性ゾーンがサポートされていないリージョンでは利用できません。
仮想マシンに利用した場合のSLA
マネージドディスクの種類により、単一の仮想マシンに適用した場合のSLAが異なります。
仮想マシンに必要な可用性の要件に応じてマネージドディスクを選択します。
Azure マネージド ディスクの概要
Service Level Agreements (SLA) for Online Services
-
- Ultra Disk : 99.9%
- Premium SSD v2 : 99.9%
- Premium SSD : 99.9%
- Standard SSD : 99.5%
- Standard HDD : 95%
仮想マシンの可用性を高める方法については、こちらで紹介されています。
Azure 仮想マシンとマネージド ディスクで高可用性を実現するためのベスト プラクティス
※単一の仮想マシンとは、仮想マシンの冗長化などを考慮しない場合を指します。
リージョナル(regional)とゾーナル(zonal)の違い
マネージドディスクにも、仮想マシンと同様に可用性ゾーンの設定があります。
リージョナル(regional)ディスクは、可用性ゾーンを指定していないマネージドディスクです。
ゾーナル(zonal)ディスクは、特定の可用性ゾーンを指定したマネージドディスクです。
ゾーン(zonal)ディスクの場合は、仮想マシンと同じ可用性ゾーンに配置する必要があります。
また、Premium SSD v2の場合は、可用性ゾーンをサポートしているリージョンでは、ゾーンの指定が必須となります。
ゾーン(zonal)ディスクの場合は、仮想マシンと同じゾーンにリソースがあるため、高レイテンシが期待できます。
※ZRS(ゾーン冗長)の場合は、ディスクが複数の可用性ゾーンに分散して配置されます。
| 種類 | ゾーン指定してない仮想マシン | ゾーン指定している仮想マシン |
| リージョナルディスク | 〇 | × |
| ゾーナルディスク | × | 〇 (同一ゾーンの仮想マシンのみアタッチ可能) |
| ZRS ディスク (ゾーン冗長) |
〇 | 〇 (任意ゾーンの仮想マシンにアタッチ可能) |
仮想マシンと同時にマネージドディスクを作成する場合は、仮想マシンと同じ可用性ゾーンの設定になります。
マネージドディスクを単体で作成する場合は、可用性ゾーンの設定を個別に指定できます。
| 可用性ゾーン | |
| マネージドディスク作成時の可用性ゾーン設定画面例です。 | ![]() |
利用可能なサイズ(容量)
マネージドディスクの種類によって、利用可能なサイズが異なります。
Premium SSD、Standard SSD、Standard HDDなどのディスクは、既定のサイズが設定されていますが、カスタムサイズを選択して柔軟に容量を設定することもできます。
| 種類 | 利用可能なサイズ | サイズ設定 |
| Ultra Disks | 4GiB~64 TiB | 1 GiB刻み |
| Premium SSD v2 | 4GiB~64 TiB | 1 GiB刻み |
| Premium SSD | 4GiB~32 TiB | 既定の段階(固定SKU: P1~P80) 4, 8, 16, 32, 64, 128, 256, 512 GiB、1, 2, 4, 8, 16, 32 TiB |
| Standard SSD | 4GiB~32 TiB | 既定の段階(固定SKU: E1~E80) 4, 8, 16, 32, 64, 128, 256, 512 GiB、1, 2, 4, 8, 16, 32 TiB |
| Standard HDD | 32GiB~32 TiB | 既定の段階(固定SKU: S4~S80) 32, 64, 128, 256, 512 GiB、1, 2, 4, 8, 16, 32 TiB |
サイズの拡大できるが縮小できない
マネージドディスクはサイズの拡大はサポートされていますが、サイズの縮小はサポートされていません。
サイズを縮小する場合は、新しいディスクを作成し、データを移行する必要があります。
パフォーマンス(性能)
マネージドディスクのIOPSやスループットなどの性能は、ディスクの種類や容量によって異なります。
また、Ultra DiskやPremium SSD v2では、IOPSやスループットを個別に指定することができます。
| 種類 | 最大性能 | ディスクサイズと性能の関係 | 変更やバースト設定 |
| Ultra DiskのIOPS | 400,000 IOPS 10,000 MB/s |
ディスクサイズに依存する Ultra Disk のサイズ |
24時間で最大4回、稼働中に性能値を変更可能 |
| Premium SSD v2 の IOPS | 80,000 IOPS 1,200 MB/s |
IOPS・スループットを任意に設定可 最大IOPSはGiBあたり500 Premium SSD v2 の IOPS |
24時間で最大4回、稼働中に性能値を変更可能 |
| Premium SSD | 20,000 IOPS 900 MB/s |
ディスクサイズに依存する Premium SSD のサイズ |
パフォーマンスレベルの変更が可能 オンデマンドバースト、クレジットバーストに対応 |
| Standard SSD | 6,000 IOPS 750 MB/s |
ディスクサイズに依存する Standard SSD のサイズ |
クレジットバーストに対応 |
| Standard HDD | 2,000 IOPS 500 MB/s |
ディスクサイズに依存する |
|
例えば、256GiBの場合はこのようになります。
| 種類 | ディスク層 | ベースの性能値 | 上限値 |
| Ultra Disk | U | 既定の固定値はなし 作成時に IOPS/スループットをプロビジョニング |
IOPS上限 : 256,000 スループット上限 : 10,000 MB/s |
| Premium SSD v2 | P | IOPS : 3,000 スループット : 125 MB/s |
IOPS上限 : 80,000 スループット上限 : 1,200 MB/s |
| Premium SSD | P15 | IOPS : 1,100 スループット : 125 MB/s |
バースト時 IOPS上限 : 3,500 スループット上限 : 170 MB/s |
| Standard SSD | E15 | IOPS : 最大 500 スループット : 最大 100 MB/s |
バースト時 IOPS上限 : 600 スループット上限 : 150 MB/s |
| Standard HDD | S15 | IOPS : 最大 500 スループット : 最大 60 MB/s |
※バースト時はクレジットベースのバーストの場合になります。クレジットベースのバーストは最大30分となります。
パフォーマンス(性能)のレベル変更
Premium SSD、Standard SSD、Standard HDDなどのディスクでは、サイズを大きくすると性能が向上します。
一方で、一度サイズを大きくすると小さくできないという制限があります。
そのため、一時的に性能が足りない場合などでは不便だったりします。
そういう場合のために、Premium SSDではパフォーマンスレベルの変更をサポートしています。
サイズは同じままで一時的にパフォーマンスだけを向上させることができます。
一時的な高負荷処理の場合には、パフォーマンスレベルを一時的にアップグレードして対応し、高負荷状態が終わった後にダウングレードすることで、コストを抑えることが可能です。
なお、Ultra DisksやPremium SSD v2のbな愛は、IOPS、スループットを指定して変更することができます。
Azure マネージド ディスクのパフォーマンスを向上させるためのオプションの概要
設定変更手順については、こちらで紹介しています。
| 種類 | パフォーマンスレベルの変更 | 変更に関する制限 |
| Ultra Disks | 容量・IOPS・スループットを任意に設定 | 24時間で最大4回、稼働中に変更可 作成も1回とカウントされる |
| Premium SSD v2 | 容量・IOPS・スループットを任意に設定 | 24時間で最大4回、稼働中変更可 作成も1回とカウントされる |
| Premium SSD | パフォーマンスレベルを変更 | パフォーマンスレベルのディスク層を指定 ダウングレードは12 時間ごとに1 回のみ |
| Standard SSD | 不可 | – |
| Standard HDD | 不可 | – |
マネージドディスクのサイズ変更とパフォーマンスレベル変更の違いです。
| 項目 | アップグレード | ダウングレード |
| サイズ | 可能(マネージドディスクサイズ拡張) | 不可(小さくするこはできない) |
| パフォーマンスレベル | 可能(変更によるアップグレード) | 可能(変更によるダウングレード) |
マネージドディスクのバースト
マネージドディスクには、一時的に性能を向上させるバーストという機能があります。
Premium SSD、Standard SSDでサポートされています。
クレジットベースのバーストと、オンデマンドのバーストの2種類あります。
オンデマンドのバーストは、Premium SSDでのみサポートされています。
| 項目 | クレジットベース | オンデマンド |
| 時間 | 最大30分以内 | 時間制限なし 必要時に上限まで都度バースト |
| サイズ | Premium SSD 512GiB以下 Standard SSD 1,024GiB以下 |
Premium SSD 512GiBより大きいサイズ |
| コスト | 無料 (追加料金なし) |
有効化の時間単位の基本料金 超過I/O課金 |
| 有効化 | 既定で有効 | 手動で有効化 |
オンデマンドバーストの設定画面例です。
| オンデマンドバーストの設定画面例例 | |
| オンデマンドバーストの設定画面例です。 | ![]() |
Performance Plus
マネージドディスクのPerformance Plusは、ディスクの持続的なIOPSおよびスループットの上限を拡張できる機能です。
Premium SSD、Standard SSD、Standard HDDのうち、サイズが512GiBを超える場合にのみ有効化できます。
Performance Plusはリソース作成時にのみ有効化でき、作成後に有効化することはできません。
| Performance Plusの設定画面例例 | |
| マネージドディスク作成時のPerformance Plus設定画面例です。 | ![]() |
サイズやパフォーマンス設定画面例
マネージドディスクのサイズやパフォーマンスの設定画面例です。
種類により画面が異なります。
| マネージドディスクの設定画面例例 | |
| Premium SSD v2の場合です。 ディスクIOPS、ディスクスループットを個別に指定します。 |
![]() |
| Premium SSDの場合です。 既定のディスク層を選択します。 またパフォーマンスレベルを個別に設定することができます。 |
![]() |
接続されている仮想マシンサイズによる制限
マネージドディスクが接続されている仮想マシンによる制限もあります。
IOPS、スループット、接続できるマネージドディスクの本数などに制限があります。
また、仮想マシンのシリーズにより、制限の上限値が異なります。
価格
マネージドディスクの種類やサイズが大きいほど、パフォーマンスが高いほど価格が高くなります。
また、種類により課金方法が異なります。
| 種類 | 主な基準 | トランザクションによる課金 | 冗長化による価格差 |
| Ultra Disk | プロビジョンド容量(GiB単価) プロビジョンド IOPS プロビジョンド スループット(MB/s) |
× | ×(LRSのみサポート) |
| Premium SSD v2 | プロビジョンド容量(GiB単価) プロビジョンド IOPS プロビジョンド スループット(MB/s) |
× | ×(LRSのみサポート) |
| Premium SSD | ディスクサイズで固定料金 (パフォーマンスレベルの層) |
× | 〇 (LRS/ZRSで異なる) |
| Standard SSD | ディスクサイズで固定料金 | 〇 (256 KB単位のI/O) |
〇 (LRS/ZRSで異なる) |
| Standard HDD | ディスクサイズで固定料金 | 〇 (10,000操作ごと) |
×(LRSのみサポート) |
※価格については必ず公式サイトの情報をご確認ください。
※Premium SSD v2の場合は、3,000 IOPS、スループット125 MB/sまでは無料となっています。
※Standard SSDのトランザクションによる課金は、時間あたりの上限あります。
※今回は触れていませんが、共有ディスクによる課金もあります。
※Premium SSDにて、オンデマンドバーストを利用した場合は、別途課金が発生します。
例えば、256GiBの場合はこのようになります。
| 種類 | ディスク層 | ベースの性能値 | 価格 |
| Ultra Disk | U | IOPS : 3,000 スループット : 125 MB/s |
$311.02 |
| Premium SSD v2 | P | IOPS : 3,000 スループット : 125 MB/s |
$24.67 |
| Premium SSD | P15 | IOPS : 1,100 スループット : 125 MB/s |
$43.72 |
| Standard SSD | E15 | IOPS : 最大 500 スループット : 最大 100 MB/s |
$19.20 $59.21 |
| Standard HDD | S15 | IOPS : 最大 500 スループット : 最大 60 MB/s |
$11.33 |
※料金計算ツールや価格表から算出しています。
IOPSやスループットの測定結果例
マネージドディスクのIOPSやスループットを測定します。
ほぼスペック通りのパフォーマンスであることが確認できました。
今回は、DiskSpdを使用してパフォーマンスを測定しています。
DiskSpdの利用手順は、こちらで紹介しています。
また、仮想マシンのサイズやシリーズによる上限についても確認しています。
| DiskSpdの測定結果例 | |
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DiskSpdのコマンド実行例です。
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測定結果の抜粋です。
|
※ホストキャッシュを無効化した状態で測定しています。
※DiskSpdのパラメーターはチューニングしたものではありません。簡易的に測定したものです。
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最後に
今回は、Azure Managed Disks(マネージドディスク)に関する情報を簡単にまとめてみました。
概要、種類、冗長性、サイズ、パフォーマンス、価格などの項目について整理しています。
今回は触れていませんが、共有ディスクとしての使い方などもあります。
引き続き、いろいろ試してみたいと思います。
各OSでディスクを拡張変更したり追加する場合の手順については、こちらで紹介しています。






