Azure Front Doorの配信元(Origin)正常性監視

2020-05-14Azure,Front Door,Monitor

Azure Front Doorから配信元(Origin)(転送先のWebアプリケーション)へのアクセス正常性の確認方法です。

配信元(Origin)(転送先のWebアプリケーション)の正常性を示すメトリックであるOrigin Health Percentageを確認しています。
Azure MonitorでOrigin Health Percentageメトリックを利用したアラートルールの設定手順や通知内容についても確認しています。

Azure Application Gatewayの正常性プローブ監視については、こちらで紹介しています。

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Azure Front Doorの配信元(Origin)の正常性確認

Origin Health Percentageを使う

Azure Front Doorから配信元(Origin)へのアクセスの正常性(転送先のWebアプリケーションの状態)は、Origin Health Percentageメトリックで確認できます。

Azure Front Door でのメトリックとログの監視

このメトリックはパーセント(%)表示です。すべての配信元にトラフィックの転送が可能な状態の場合は100%となります。

※配信元(Origin)が停止している場合だけでなく、正常性プローブで規定した時間内に応答がない場合も対象となります。
※Azure Front Doorは有効な配信元にのみトラフィックを転送します。

確認に利用したAzure Front Doorのリソース

こちらで作成したAzure Front Doorのリソースを利用して確認します。

Origin Health Percentageのメトリックを確認

Azure Front Doorで取得されているOrigin Health Percentageメトリックを確認します。

Origin Health Percentageのメトリックを確認

左側のメニューでメトリックを選択します。
メトリックでOrigin Health Percentageを選択します。
Front Doorのリソース単位でOrigin(配信元)の正常性を確認できます。

フィルターを追加し、プロパティでOrigin(配信元)を選択すると、指定した配信元単位で正常性を確認できます。

配信元のWebアプリケーションを停止してOrigin Health Percentageの変化を確認

配信元のWebアプリケーションを停止し、Origin Health Percentageメトリックの変化を確認します。
バックエンドに2つのApp Service(fd-test-01、fd-test-02)がある状況で、1つ(fd-test-02)を停止してみます。

配信元のWebアプリケーションを停止

停止したタイミングでOrigin Health Percentageメトリックが低下していることが確認できます。

フィルター(Origin)を追加して、配信元単位でOrigin Health Percentageを確認します。
停止したfd-test-02のみ低下していることが確認できます。

 

【fd-test-01】

【fd-test-02】

アクセスを確認すると、正常な配信元のみにトラフィックが転送されていることが確認できます。

正常性プローブのログ確認方法

Azure Front Doorの正常性プローブのログを確認する方法については、こちらで紹介しています。

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Origin Health Percentageのメトリックを使ったアラートルールを作成

アラートルールの作成手順

Azure Front Doorで設定した配信元が停止した場合に検知するアラートルールを作成します。

    • 今回のアラートルール設定内容
      • アラートルール名はFD Origin Health Percentage Alert
      • Origin Health Percentageのメトリックを指定
      • 5分間(ルックバック期間)の平均が90%以下になった場合に検知
      • 監視間隔(確認する間隔)は1分単位
      • 配信元単位でアラートを検知
      • アラート検知時はメールで通知

Azure Monitorのメトリック監視の設定方法については、こちらを参照して進めます。

Azure ポータルでメトリックにアラート ルールを作成する

Azure Front Door側には正常性プローブの間隔設定があります。
Azure Monitor側の監視間隔は、それに合わせるか、それ以上の間隔に設定します。
今回は、両方とも1分に設定しています。

アラートルールの作成手順

左側のメニューで警告を選択します。
作成でアラートルールを選択します。

See all signalsでシグナルを選択します。
メトリクスでOrigin Health Percentageを選択します。

アラートロジックは5分間(ルックバック期間)の平均が90%以下になった場合にアラートとなるようにしています。
ディメンションで分割するを利用して配信元(Origin)単位での検知とします。
監視間隔(確認する間隔)は1分間としています。

 

 

 

アクションでメール送信するアクショングループを選択します。

※事前に作成したアクショングループを選択しています。

詳細でアラートルール名や重大度を設定します。
アラートルール名はFD Origin Health Percentage Alertとしています。

確認画面です。
内容を確認してアラートルールを作成します。

作成したアラートルール

アラートを発生させて通知メールを確認

アラートを発生させて、アラート通知メールを確認します。
配信元に指定したApp Service(fd-test-02)を停止して、アラートを発生させます。

アラート通知メールを確認

アラート通知メールです。
FD Origin Health Percentage Alertのアラートルールで検知されていることが確認できます。
Metric NameはOrigin Health Percentageとなっています。
DimensionsのApplicationEndpointから、fd-test-02が停止していることが確認できます。

 

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最後に

Origin Health Percentageメトリックを使用することで、Azure Front Doorと配信元(Origin)(転送先のWebアプリケーション)間の通信状態を確認できました。
Azure Monitorを利用することで、Azure Front Doorと配信元(Origin)(転送先のWebアプリケーション)間で通信できない場合に通知することができました。
Webサービスに直結する重要な内容なので、Azure Front Doorを利用する際には必須の設定だと思います。

Azure Front Doorには他にもさまざまなメトリックが用意されています。
引き続き、いろいろと試してみたいと思います。

Azure Front Doorの概要からデプロイ手順については、こちらで紹介しています。

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