Azureの障害発生状況を確認する方法(サービス正常性やリソース正常性)
プラットフォーム(Azure基盤)のサービス障害やAzureリソースにサービス影響があったかを確認する方法として、Azure Service Healthがあります。
サービス正常性(Service Health)やリソース正常性(Azure Resource Health)などもAzure Service Healthに含まれます。
今回は、サービス正常性やリソース正常性を中心に、Azure Service Healthの概要やその違いについて整理してみました。
※本記事では、Azure Resource Healthをリソース正常性として表記しています。
※本記事では、Service Healthをサービス正常性として表記しています。
※本記事では、Azure Service Healthに含まれるService Healthをサービス正常性として表記しています。
Azureリソースのサービス提供状況や可用性を確認する方法
Azure Service Healthとは
Azureで提供される、クラウドリソース正常性に関するサービスの総称です。
Azureの状態、サービス正常性、リソース正常性の3つのサービスで構成されます。
非常にややこしいのですがAzure Service Healthの1つがサービス正常性になります。
※感覚的にはなりますがサービス正常性と言われる場合、Azure Service Healthの中のサービス正常性を指す事が多い思います。
サービス提供状況を確認する場合はAzureの状態
Azureの状態は、すべてのリージョンでのAzureサービスの提供状態を確認できるウェブサイトです。
Azure Portalとは別に提供されています。
サービスの障害状況やリージョンごとの障害の状況を把握するために利用します。
公式サイトでは、Azureの状態ではなくサービス正常性の利用が推奨されています。
大規模な障害が発生し、Azure Portalにログインできない場合や、サービス全体でどの部分が影響を受けているのかを把握するために利用するのが良さそうです。
※Azureの状態に、情報が反映されるまでにタイムラグがあります。
※Azureの状態はユーザー自身が確認する必要があります。能動的にアラート通知されることはありません。
Azureの状態の確認方法 | |
サイトにアクセスすると、各サービスごとのリージョン別の提供状況を確認できます。 日本関連のリージョンの場合は、アジア太平洋のタブを表示します。 |
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Azureプラットフォームの正常性を確認する場合はサービス正常性
サービス正常性では、Azureのプラットフォームに影響を及ぼす可能性のある情報が提供されます。
サービス正常性に関するメニューは、Azure Monitorで確認できます。
サービス正常性では、Azureのプラットフォームで発生したサービス障害の状況を確認することができます。
また、メンテナンスの通知やサービスの廃止(非推奨)など、将来的にサービスに影響を与える可能性がある情報も含まれています。
Service Health クラシック エクスペリエンスの概要
サービス正常性は、以下の4つのメニューから構成されています
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- サービスの問題
- ユーザーに影響があるAzureサービスの問題が表示されます
- リージョン全体やグローバルで発生しているサービス障害が、問題として情報提供されます
- 定期的なメンテナンス
- サービスの可用性に将来影響を及ぼす可能性のあるメンテナンス情報が通知されます
- マネージドデータベースのメンテナンス情報などが含まれます
- 正常性に関する勧告
- Azureサービスの変更情報が提供されます
- 廃止や非推奨(サポート対象外)となる情報が含まれており、例えば利用しているPHPのバージョンがサポートされなくなる場合などに通知されます
- セキュリティに関する勧告
- Azureサービスの可用性に影響する可能性があるセキュリティ関連の通知や違反が報告されます
- サービスの問題
サービス正常性には、情報として通知される内容だけではなく、対処が必要な内容が含まれています。
廃止になるサービスを利用している場合などでは、ユーザー自身が移行の対応を行う必要があります。
Azure portal を使用してサービス正常性通知を表示する
サービス正常性の確認方法 | |
Azure Monitor(監視)に、サービス正常性に関するメニューがあります。 4つのメニューすべてを確認することができます。 過去のサービス正常性通知については、履歴メニューで確認できます。 |
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サービス正常性の監視設定手順は、こちらで紹介しています。
Azure リソースの正常性を確認する場合はリソース正常性
リソースの正常性は、Azureリソースごとの正常性を示します。
現在、ユーザー自身のAzureリソースに可用性の問題がないか(使用可能かどうか)を確認できます。
これには、プラットフォーム(Azure基盤)のサービス障害による影響だけでなく、ユーザー操作によるリソースの停止などの情報も含まれます。
リソースの状態に変化があったかどうかの履歴も確認可能です。
Azure Portalでは最大30日分の履歴を確認可能です。
リソースの正常性は、Azure Monitorのサービス正常性から確認する方法と、Azureリソース自体で確認する方法があります。
仮想マシンを例に確認します。
Azure Monitorのサービス正常性から確認する方法です。
現在のリソース正常性のステータスを確認できます。
リソース正常性の確認方法 | |
サービス正常性メニューで、リソース正常性を選択します。 リソースの種類を選択します。 現在のリソース正常性を一覧表示できます。 |
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Azureリソースから確認する方法です。
現在のリソースの正常性の状態と、過去の履歴を確認できます。
リソース正常性の確認方法 | |
リソース正常性のメニューから、最大30日分の履歴を確認できます。 ユーザー操作によって仮想マシンが起動または停止されたことが通知されます。 |
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※仮想マシンを割り当て解除しているため、利用できませんのステータスとして表示されています。
リソース正常性の監視設定手順については、こちらで紹介しています。
サービス正常性とリソース正常性の違い
サービスの正常性は、サービス全体やリージョン全体に影響がある場合を対象としているのに対し、リソースの正常性はユーザー自身のリソースへの影響を対象としています。
Resource Health は Azure の状態や Service Health ダッシュボードと何が違うのでしょうか。
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- サービス正常性とリソース正常性の例
- 東日本リージョン全体でサービスに影響があった場合は、サービス正常性
- メンテナンス計画など、プラットフォーム(Azure基盤)に影響がある場合も、サービス正常性
- リージョン内の特定のホスト障害などで、自身の仮想マシンが影響を受けた場合は、リソース正常性
- ユーザー自身の操作でリソースを起動または停止した場合も、リソース正常性
- サービス正常性とリソース正常性の例
東日本リージョンで部分的に障害が発生した場合など、サービス正常性にアラートが発生していなくても、リソース正常性に異常が発生している場合があります。
自身のリソースへの影響を確認するためには、リソース正常性を確認する必要があります。
リソース正常性がサポートしているリソースの種類は限られている
サービス正常性とリソース正常性では、サポートされているリソースの種類が異なります。
リソース正常性がサポートするリソースの種類は、サービス正常性と比較して限定されています。
例えば、仮想マシンはサービス正常性とリソース正常性の両方でサポートされています。
一方、仮想ネットワークはサービス正常性のみがサポートされており、リソース正常性ではサポートされていません。
リソース正常性がサポートするリソースの種類はこちらのサイトで案内されています。
確認できるリソース正常性の内容は、リソースの種類ごとに異なります。
Azure Resource Health で利用できるリソースの種類と正常性チェック
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最後に
Azureの状態、サービス正常性、リソース正常性を利用することで、Azureプラットフォームのサービス障害やAzureリソースの正常性を確認できることがわかりました。
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- Azureの状態
- Azure プラットフォーム全体のサービス提供状況を示すもので、Azure Portalとは別に提供される
- サービス単位、リージョン単位で確認できる
- サービス正常性
- Azure プラットフォーム全体のサービス提供状況を示すもので、メンテナンスやアップデートなどの将来の影響も含まれる
- サービス単位、リージョン単位で確認できる
- リソース正常性
- ユーザーのAzureリソースの可用性を示すもので、ユーザー操作による影響や過去の履歴も確認できる
- リソース単位で確認できる
- Azureの状態
引き続き、いろいろ試してみたいと思います。
ロジックアプリを使ってリソース正常性の状態をメール送信する手順はこちらで紹介しています。