Windows Server 2025でNFSサーバーを構築する手順

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Windows ServerでNFSサーバーを構築する手順です。
今回は、NFSサーバーの構成、ファイル共有(NFS共有)の作成、アクセス権の設定、Linuxから作成したファイル共有(NFS共有)をマウントする手順までを紹介します。

※本記事では、Windows Server 2025 Datacenter Azure Editionを使用して手順を確認しています。
※本記事では、Rocky Linux release 9.6 (Blue Onyx)を使用して手順を確認しています。
※本記事では、ドメインに参加していない環境の手順を確認しています。

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Windows Server 2025でNFSサーバーを構築する手順

サーバーマネージャーからNFSサーバーの役割を追加

NFSサーバーの役割の追加は、サーバーマネージャーから実施できます。
事前にファイルサーバーをインストールした状態から開始しています。

Windows Serverでファイルサーバーを構築する手順については、こちらで紹介しています。
ファイルサーバーのインストール手順も紹介しています。

NFSサーバーの役割を追加
サーバーマネージャーで役割と機能の追加を選択します。
管理メニューやダッシュボードなどからウィザードがを開始できます。
サーバーマネージャーから役割と機能を追加(Windows Server 2025のNFSサーバー構築手順)
役割と機能の追加ウィザードが表示されます。
次へ進みます。
役割と機能の追加ウィザードを表示(Windows Server 2025のNFSサーバー構築手順)
インストールの種類の選択画面が表示されます。
“役割ベースまたは機能ベースのインストール"を選択します。
役割と機能の追加ウィザードでインストールの種類を選択(Windows Server 2025のNFSサーバー構築手順)
対象サーバーの選択画面が表示されます。
ファイルサーバーの役割を追加するサーバーを選択します。
役割と機能の追加ウィザードで対象サーバーを選択(Windows Server 2025のNFSサーバー構築手順)
サーバーの役割の選択画面が表示されます。
ファイルサービスと記憶域サービス内のファイルサービスおよびiSCSIサービスを選択します。
その中にあるNFSサーバーにチェックを入れます。
機能の追加確認メッセージが表示されるので、機能の追加を選択して次へ進みます。
サーバーの役割でNFSサーバーを追加(Windows Server 2025のNFSサーバー構築手順)
NFSサーバーの役割に必要な機能を追加(Windows Server 2025のNFSサーバー構築手順)
機能の選択画面が表示されます。
今回は機能を追加せず、そのまま次へ進みます。
役割と機能の追加ウィザードで機能を選択(Windows Server 2025のNFSサーバー構築手順)
確認画面が表示されます。
NFSサーバーおよびリモートサーバー管理ツールが選択されていることを確認します。
インストールを選択します。
役割と機能の追加ウィザードのインストールオプション確認画面(Windows Server 2025のNFSサーバー構築手順)
インストールが正常に完了したことを確認します。
ウィザードを閉じます
役割と機能の追加ウィザードのインストール完了確認画面(Windows Server 2025のNFSサーバー構築手順)

新しいファイル共有(NFS共有)を作成

サーバーマネージャーからファイル共有を作成します。
ファイル共有プロファイルとしてNFS共有を選択します。

新しいファイル共有(NFS共有)を作成
サーバーマネージャーでファイルサービスと記憶域サービスを選択します。
共有メニューのタスクから新しい共有を作成します。
ファイルサービスと記憶域サービスから新しい共有を追加(Windows Server 2025のNFSサーバー構築手順)
新しい共有ウィザードが表示されます。
ファイル共有プロファイルとして"NFS共有 – 簡易"を選択します。
新しい共有ウィザードで共有プロファイルを選択(Windows Server 2025のNFSサーバー構築手順)
この共有のサーバーとパスの選択画面が表示されます。
今回はDドライブを選択します。

新しい共有ウィザードでNFS共有のパスを指定(Windows Server 2025のNFSサーバー構築手順)
共有名の指定画面が表示されます。
共有名に合わせて、ローカルパスとリモートパスが自動的に設定されます。
新しい共有ウィザードで共有名を設定(Windows Server 2025のNFSサーバー構築手順)

認証の設定画面が表示されます。
サーバー認証なし、マップされていないユーザーアクセスを有効にするにチェックを入れます。
UID/GIDによるマップされていないユーザーアクセスを許可するを選択し、次へ進みます。

※Kerberos v5認証は無効化しています。

新しい共有ウィザードでNFS共有の認証方法を選択(Windows Server 2025のNFSサーバー構築手順)

共有のアクセス許可の追加画面が表示されます。
アクセスを許可するホストや、権限内容を設定します。
今回は、All Machinesに読み取りと書き込みの権限を付与しています。
また、ルートアクセスも許可しています。

※デフォルトでは、何も設定されていない状態です。

新しい共有ウィザードで共有のアクセス許可を指定(Windows Server 2025のNFSサーバー構築手順)
共有のアクセス許可を設定(Windows Server 2025のNFSサーバー構築手順)
新しい共有ウィザードで共有ですべてのコンピューターにアクセスを許可(Windows Server 2025のNFSサーバー構築手順)

アクセスを制御するアクセス許可の指定画面が表示されます。
そのまま次へ進みます。

※アクセス許可の設定手順については、別途紹介します。

新しい共有ウィザードで共有のアクセスを制御するアクセス許可を指定(Windows Server 2025のNFSサーバー構築手順)
選択内容の確認画面が表示されます。
作成を選択します。
新しい共有ウィザードで共有の選択内容確認画面(Windows Server 2025のNFSサーバー構築手順)
結果の表示画面が表示されます。
新しい共有ウィザードを閉じます。
新しい共有ウィザードで共有の結果表示画面(Windows Server 2025のNFSサーバー構築手順)
サーバーマネージャーでファイル共有の作成を確認します。
ファイルサービスと記憶域サービスの共有メニューを選択します。
作成したファイル共有が表示されていることを確認できます。
NFS共有追加後のファイルサービスと記憶域サービス画面(Windows Server 2025のNFSサーバー構築手順)

※今回は手順確認のため、共有の作成場所にDドライブを指定しています。Azureの仮想マシンでは、Dドライブが揮発性ドライブとなっている場合があります。必ず永続的にデータを保管できる場所を指定してください。
※Rocky Linuxからマウントし確認するための権限割り当てとしています。実際に利用する場合には、セキュリティ要件に合わせて設定してください。

NTFSのアクセス許可設定手順

NTFSのアクセス許可設定が必要となる場合の手順です。
ANONYMOUS LOGONにフルコントロールの権限を割り当てています。

NTFSのアクセス許可設定手順
サーバーマネージャーでファイルサービスと記憶域サービスを選択します。
作成したNFS共有のプロパティを選択します。
ファイルサービスと記憶域サービスでNFS共有のプロパティを選択(Windows Server 2025のNFSサーバー構築手順)
プロパティでNTFSのアクセス許可を選択します。
アクセス許可をカスタマイズするを選択します。
NFS共有のNTFSアクセス許可設定画面(Windows Server 2025のNFSサーバー構築手順)
セキュリティの詳細設定画面が表示されます。
追加を選択します。
NTFSアクセス許可のセキュリティの詳細設定画面(Windows Server 2025のNFSサーバー構築手順)
アクセス許可エントリ画面が表示されます。
プリンシパルの選択から、ユーザーまたはグループの選択を表示します。
詳細設定を選択します。
NTFSアクセス許可の許可エントリ画面(Windows Server 2025のNFSサーバー構築手順)
ユーザーまたはグループの選択画面が表示されます。
検索を選択します。
ANONYMOUS LOGONを選択します。
NTFSアクセス許可のユーザーまたはグループの選択画面(Windows Server 2025のNFSサーバー構築手順)
NTFSアクセス許可の許可エントリでプリンシパルを選択(Windows Server 2025のNFSサーバー構築手順)

アクセス許可エントリ画面が表示されます。
適切なアクセス許可を選択し設定を保存します。

※今回は、フルコントロールで設定しています。

NTFSアクセス許可の許可エントリでプリンシパルに対してアクセス許可設定(Windows Server 2025のNFSサーバー構築手順)
セキュリティの詳細設定画面が表示されます。
内容を確認し、設定を保存します。
NTFSアクセス許可のプリンシパル追加後のセキュリティの詳細設定画面(Windows Server 2025のNFSサーバー構築手順)

※今回はフルコントロールの権限を割り当てていますが、実際に利用する場合には適切な権限を割り当てるようにします。

LinuxからWindows ServerのNFS共有をマウント

Linux環境から作成したWindows ServerのNFS共有をマウントします。
NFS共有へのファイル書き込みができるかも確認します。

NFS共有をマウント
# NFSクライアントのインストール(rpcbindも同時にインストールされます)
[root@vm-02 ~]# dnf -y install nfs-utils

# rpcbindの起動を確認(起動していない場合はsystemctl start rpcbindで起動します)
[root@vm-02 ~]#
systemctl status rpcbind
● rpcbind.service – RPC Bind
Loaded: loaded (/usr/lib/systemd/system/rpcbind.service; enabled; preset: enabled)
Active: active (running) since Sun 2025-09-07 00:04:07 UTC; 5h 11min ago
TriggeredBy: ● rpcbind.socket
Docs: man:rpcbind(8)
Main PID: 848 (rpcbind)
Tasks: 1 (limit: 48621)
Memory: 2.2M
CPU: 41ms
CGroup: /system.slice/rpcbind.service
└─848 /usr/bin/rpcbind -w -f

# NFSで公開されている共有ディレクトリを確認
[root@vm-02 ~]# showmount -e vm-01

Export list for vm-01:
/nfs (everyone)
 
# マウントポイントを作成
[root@vm-02 ~]# mkdir -p /mnt/nfs

# NFSサーバーの共有ディレクトリをマウント(NFSバージョン4.1)
[root@vm-02 ~]#
mount -t nfs -o vers=4.1,sec=sys vm-01:/nfs /mnt/nfs
[root@vm-02 ~]# ls -lh /mnt/ | grep nfs
drwx——+ 2 nobody nobody 64 Sep 7 05:23 nfs

# NFSサーバーの共有ディレクトリにファイル作成できるか確認
[root@vm-02 ~]#
touch /mnt/nfs/check.txt
[root@vm-02 ~]# ls -l /mnt/nfs/check.txt
-rw-r–r–+ 1 root root 0 Sep 7 05:23 /mnt/nfs/check.txt

NFS共有マウント時に認証設定によってエラーになった場合の例

LinuxからNFS共有をマウントする際に、認証設定によってエラーが発生した場合の例です。

※今回の検証環境の場合の例です。環境によって動作が異なる場合があります。

認証設定によってエラーになった場合の例
マップされていないユーザーアクセスを有効にするのチェックが外れた状態でマウントして確認します。
NFSv4.1の場合は、マウント時にエラーになります。
NFSv3の場合は、マウントはできますが、アクセス時にエラーが発生します。
マップされていないユーザーアクセスを無効にした場合(NFS共有の認証設定画面)(Windows Server 2025のNFSサーバー構築手順)
[root@vm-02 ~]#  mount -t nfs -o vers=4.1,sec=sys vm-01:/nfs /mnt/nfs
mount.nfs: access denied by server while mounting vm-01:/nfs
[root@vm-02 ~]# mount -t nfs -o vers=3,sec=sys vm-01:/nfs /mnt/nfs
[root@vm-02 ~]# cd /mnt/nfs/
-bash: cd: /mnt/nfs/: Permission denied
マップされていないユーザーアクセスを有効にしているが、匿名アクセスを許可するを選択した場合の例です。
マウントはできますが、ファイル作成時にエラーが発生します。
匿名アクセスを許可するを選択した場合(NFS共有の認証設定画面)(Windows Server 2025のNFSサーバー構築手順)
[root@vm-02 ~]# touch /mnt/nfs/check.txt
touch: cannot touch '/mnt/nfs/check.txt’: Permission denied

NFS共有マウント時に共有のアクセス設定によってエラーになった場合の例

LinuxからNFS共有をマウントする際に、共有のアクセス設定によってエラーが発生した場合の例です。

※今回の検証環境の場合の例です。環境によって動作が異なる場合があります。

共有のアクセス設定によってエラーになった場合の例
vm-02からのみアクセスを許可した環境で確認します。
アクセスが許可されていないLinuxから接続した場合は、マウント時にアクセスが拒否されます。
NFS共有の共有のアクセス設定画面(Windows Server 2025のNFSサーバー構築手順)
# アクセス許可されている場合
[root@vm-02 ~]#
showmount -e vm-01
Export list for vm-01:
/nfs vm-02のIPアドレス
[root@vm-linux-02 ~]# mount -t nfs -o vers=4.1,sec=sys vm-01:/nfs /mnt/nfs
 
# アクセスなしおよびアクセス許可設定されていない場合
[root@vm-03 ~]#
showmount -e vm-01
Export list for vm-01:
/nfs vm-02のIPアドレス
[root@vm-03 ~]# mount -t nfs -o vers=4.1,sec=sys vm-01:/nfs /mnt/nfs
mount.nfs: access denied by server while mounting vm-01:/nfs

ファイル共有してフォルダーからアクセス権を設定

ファイル共有しているフォルダーでもアクセス権を設定できます。

フォルダー共有からアクセス権を設定
共有しているフォルダーでNFS共有タブを選択します。
NFS共有の管理を選択します。
NFS共有しているフォルダーのプロパティ画面(Windows Server 2025のNFSサーバー構築手順)
NFSの詳細な共有画面が表示されます。
設定内容を確認できます。
フォルダーのプロパティでNFSの詳細な共有を表示(Windows Server 2025のNFSサーバー構築手順)

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最後に

Windows ServerのNFSサーバー構成手順について確認しました。
今回は最低限の設定のみを確認しましたが、アクセス許可関連でもさまざまな設定をすることができます。

引き続き、いろいろ試してみたいと思います。

Windows ServerでWindows Defender ファイアウォールの受信の規則構築手順については、こちらで紹介しています。

Windowsの仮想マシンへのデータディスク追加手順については、こちらで紹介しています。

Windows Server 2025の日本語化手順は、こちらで紹介しています。

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