Azureの障害発生状況を確認する方法(サービス正常性やリソース正常性)

2021-02-28Azure,Monitor

プラットフォーム(Azure基盤)のサービス障害やAzureリソースにサービス影響があったのか確認する方法としてAzure Service Healthがあります。
サービス正常性(Service Health)やリソース正常性(Resource Health)などもAzure Service Healthに含まれます。
今回はサービス正常性(Service Health)やリソース正常性(Resource Health)を中心にAzure Service Healthの概要や違いについて整理してみました。

スポンサーリンク

Azureリソースのサービス提供状況(正常性)や可用性を確認する

サービス正常性(Service Health)とリソース正常性(Resource Health)はAzure Service Healthに含まれます。

Azure Service Healthとは

クラウド リソースの正常性に関するサービスの総称です。
Azureの状態、サービス正常性(Service Health)、リソース正常性(Resource Health)3つのサービスで構成されます。

非常にややこしいのですがAzure Service Healthの1つがサービス正常性(Service Health)になります。

※感覚的にはサービス正常性(Service Health)と言われる場合、Azure Service Healthの中のサービス正常性(Service Health)を指す事が多い思います。

Azure の状態とは

すべてのリージョンのAzureサービス提供状態が分かる、Azure Portalとは別で提供されるWEBサイトです。
サービス障害状況やリージョン障害の状況を把握する為に使います。

公式サイトではAzureの状態ではなくサービス正常性(Service Health)が推奨されています。
大規模障害などでAzure Portalにもログイン出来ない場合に利用したりサービス全体でどこが影響を受けているのかを把握する為に利用するのが良さそうです。

※Azureの状態に表示されるまでにタイムラグがあります。
※Azureの状態はユーザー自身が確認する必要があります。アラート通知など能動的に通知される事はありません。

Azureの状態

東日本や西日本リージョンで仮想マシン(Azure VM)の状態を確認する場合の例です。グリーンになっておりサービス提供状況に問題ない状態である事が分かります。

サービス正常性(Service Health)とは

プラットフォーム(Azure基盤)のサービス提供に影響がある情報が提供されます。
プラットフォーム(Azure基盤)で発生したサービス障害だけではなく、メンテナンス通知やサービスの廃止(非推奨)の今後影響があるかもしれない情報も提供されます。

Service Health クラシック エクスペリエンスの概要

サービス正常性(Service Health)は4つのメニューから構成されます。

    • サービスの問題
      • ユーザーに影響があるAzure サービスの問題が表示されます。
      • リージョン全体やグローバルで発生しているサービス障害が問題として情報提供されます。
    • 定期的なメンテナンス
      • サービスの可用性に将来影響を及ぼす可能性のある今後のメンテナンス。
      • Managed DBのメンテナンス情報などが通知されます。
    • 正常性に関する勧告
      • ユーザーが利用しているAzure サービスの変更情報が提供されます。
      • 廃止、非推奨(サポート対象外)となる情報などが提供されます。PHPのバージョンがサポートされなくなる情報なども通知されました。
    • セキュリティに関する勧告
      • Azure サービスの可用性に影響する可能性があるセキュリティ関連の通知または違反。
サービス正常性(Service Health)
Azure MonitorでService Healtを選択するとサービス正常性を表示出来ます。4つのメニューをすべて確認する事が出来ます。
サービス正常性(Service Health)はAzure Monitorでアラート通知設定が出来ます。
サービス正常性に関する通知をアラート設定(メール通知)した例です。メンテナンスによって影響を受ける可能性がある時間帯などが通知されます。

サービス正常性(Service Health)の監視設定はこちらでやっています。併せて見て頂けると有難いです。

—–

リソース正常性(Resource Health)とは

リソース正常性(Resource Health)はAzureリソース単位での正常性を表します。
現在ユーザー自身のAzureリソースの可用性に問題がないか(使用可能かどうか)、過去30日間に何かリソース状態に変化があったかを知る事が出来ます。
プラットフォーム(Azure基盤)のサービス障害による影響だけではなく、ユーザー操作によるリソース停止などの情報もリソース正常性(Resource Health)に表示されます。

Resource Health の概要

リソース正常性はAzure MonitorのService Healthから確認する方法とAzureリソースでリソース正常性を確認する方法があります。

リソース正常性(Resource Health)
Service Healthでリソース正常性を選択します。
リソースの種類を選択すると現在のリソース正常性の一覧を表示する事が出来ます。
Azureリソースのメニューからも確認可能です。
リソース正常性を選択すると過去30日分の履歴を含めて確認する事が出来ます。
リソース正常性(Resource Health)もAzure Monitorでアラート通知設定が出来ます。
リソース正常性に関する通知をアラート設定(メール通知)した例です。
ユーザー操作により仮想マシン(Azure VM)が停止されたことが通知されています。

リソース正常性(Resource Health)の監視設定はこちらでやっています。併せて見て頂けると有難いです。

サービス正常性とリソース正常性の違い

サービス正常性(Service Health)はリージョン全体に影響がある場合を対象にしているのに対して、リソース正常性(Resource Health)はユーザー自身のリソースへの影響を対象にしています。

Resource Health は Azure の状態や Service Health ダッシュボードと何が違うのでしょうか。

      • サービス正常性とリソース正常性の例
        • 東日本リージョン全体でサービス影響があった場合はサービス正常性
        • メンテナンス計画などでプラットフォーム(Azure基盤)に影響がある場合の通知はサービス正常性
        • リージョン内の特定のホスト障害等で自身の仮想マシン(Azure VM)が影響を受けた場合はリソース正常性
        • ユーザー自身の操作でリソース(仮想マシン等)を起動停止した場合はリソース正常性

東日本リージョンでの障害等でサービス正常性に異常があった場合に、自身のリソース影響はリソース正常性(Resource Health)を確認する必要があります。
サービス正常性にアラートが発生してなくてもリソース正常性に異常が発生している場合もあります。

リソース正常性がサポートされているリソースの種類は限定されている

サービス正常性(Service Health)とリソース正常性(Resource Health)ではサポートされているリソースの種類が異なります。
リソース正常性(Resource Health)をサポートしているリソースの種類は限定されています。
例えば仮想マシン(Azure VM)は利用できますが、仮想ネットワーク(Virtual Network)では利用できません。

Azure Resource Health で利用できるリソースの種類と正常性チェック(公式サイト)

リソースの種類ごとにリソース正常性(Resource Health)の内容も異なります。

最後に

Azure状態、サービス正常性(Service Health)、リソース正常性(Resource Health)を使うと、プラットフォーム(Azure基盤)のサービス障害やAzureリソースの正常性を確認出来る事が分かりました。

    • Azureの状態:Azure プラットフォーム(基盤)全体の可用性を示すもの。Azure Portalとは別で提供されます。
    • サービス正常性(Service Health):Azure プラットフォーム(基盤)全体の可用性を示すもの。メンテナンスやアップデートなどの将来の影響も範囲に含まれます。
    • リソース正常性(Resource Health):ユーザーのAzureリソースの可用性を示すもの。ユーザー操作や過去の履歴も確認出来ます。

※サービス正常性(Service Health)も過去の影響を確認する事が出来ます。

ロジックアプリを使ってリソース正常性の状態をメール送信する事も出来ます。併せて見て頂けると有難いです。

スポンサーリンク