Zabbix エージェントのインストール手順(WindowsとLinux)

Others,Zabbix

Zabbix エージェントの概要とインストール手順です。
WindowsとLinuxの場合のインストール手順を確認しています。

※Zabbixのバージョンは、7.0LTS(7.0.13)を利用しています。
※WindowsはWindows Server 2025を利用しています。
※LinuxはRocky Linuxは、Rocky Linux release 9.5(Blue Onyx)を利用しています。
※Zabbix Agent 2で手順を確認していますが、Zabbix Agentも同様の手順でインストールできます。
※手順の確認はrootユーザーで実施しています。環境に合わせてsudoコマンド利用してください。

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Zabbix エージェントの概要

Zabbix エージェントとは

CPU使用率などのリソース情報やアプリケーションの稼働情報を収集する役割を担います。
収集した情報をZabbix サーバーと通信する役割も担います。
監視対象のサーバーにインストールして使用します。

Zabbix AegntとZabbix Aegnt2がある

Zabbix AgentとZabbix Agent 2があります。
Zabbix Agent 2は新世代のエージェントと位置付けられており、従来のZabbix Agentよりも多くの機能をサポートしています。

Zabbix エージェント
Zabbix エージェント2

Zabbix エージェントのサポートOS

Zabbix AgentはWindowsやLinuxなど、多くのOSをサポートしています。

サポートするプラットフォーム

Zabbix AgentとZabbix Agent 2ではサポートされるOSが一部異なります。

Zabbix AgentはC言語で開発されていますが、Zabbix Agent 2はGo言語で実装されています。
そのため、Zabbix Agent 2では古いバージョンのWindowsがサポート対象外となっているため、その点に注意が必要です。

Zabbix サーバーとの通信方法にはパッシブチェックとアクティブチェックがある

Zabbix エージェントとZabbix サーバー間の通信方法には、パッシブチェックとアクティブチェックの2種類があります。
パッシブチェックでは、Zabbix サーバーからのリクエストに対してZabbix エージェントが応答します。
アクティブチェックでは、Zabbix エージェント自身でデータを収集してZabbix サーバーに定期的に送信します。

どちらのタイプを使うかは、監視アイテムの種類ごとに設定します。

Zabbix エージェントのバージョン

Zabbix エージェントのバージョンは、Zabbix サーバーと異なっても動作します。
Zabbix サーバーのバージョンが新しく、Zabbix エージェントのバージョンが同じか古い組み合わせはサポートされています。

WindowsへZabbix エージェントをインストールする手順

Zabbix エージェントのパッケージをダウンロード

Zabbix エージェントのインストールパッケージを公式サイトからダウンロードします。

Get Zabbix

Zabbix エージェントのパッケージをダウンロード
Zabbix Agentsを選択します。 ダウンロードサイトでZabbix Agentsを選択(WindowsへZabbix agentをインストールする手順)
インストールするOSのディストリビューションやバージョン、ハードウェア、Zabbixのバージョン、暗号化の有無、ダウンロード方式などを選択します。
ダウンロードするZabbix Agentのバージョンも選択可能です。
今回は、Windows向けの7.0 LTSパッケージをMSI形式でダウンロードします。
ダウンロードするZabbix Agentのパッケージを選択(WindowsへZabbix agentをインストールする手順)
Zabbix Agentのパッケージをダウンロード(WindowsへZabbix agentをインストールする手順)

※今回は、Zabbix サーバーのバージョンに合わせて、Zabbix エージェントもv7.0.13を指定してダウンロードしています。

Zabbix エージェントをインストール

Zabbix エージェントをインストールします。
セットアップウィザードを利用してZabbix エージェントをインストールします。
インストール時にZabbix エージェントの設定を行います。

MSIでWindowsエージェントのインストール

    • Host Name
      • ホスト名を指定
      • Zabbixのアクティブチェック時に送信に使用
      • Zabbix サーバー上で登録されているホスト名と同じ名前にしておく必要があります
    • Zabbix Server IP/DNS 
      • Zabbix エージェントがアクセスを許可するZabbix サーバーのIPアドレスまたはDNS名を指定
      • パッシブチェックの場合に使用
      • すべてのZabbix サーバーからアクセスを許可する場合は0.0.0.0/0を指定
    • Zabbix listen Port
      • Zabbix サーバーからZabbix エージェントに接続する際に使用するポート番号
      • デフォルトは10050番ポートを使用
    • Server or Proxy for active checks
      • Zabbix エージェントがアクティブチェックで送信先とするZabbix サーバーまたはZabbix プロキシのIPアドレスやDNS名を指定
      • アクティブチェックをの場合に使用

※ホスト名には、実際のサーバーのホスト名と異なる値を指定することもできます。
※Zabbix Server IP/DNSに0.0.0.0/0指定する設定は、セキュリティ上推奨されません。

Zabbix エージェントのセットアップウィザード
ダウンロードしたMSI形式のインストーラーをダブルクリックします。
セットアップウィザードが起動します。
Zabbix エージェントのセットアップウィザードを開始(WindowsへZabbix agentをインストールする手順)
ライセンスの確認画面が表示されます。
内容を確認します。
同意するにチェックを入れて次へ進みます。
Zabbix エージェントのライセンス確認画面(WindowsへZabbix agentをインストールする手順)
インストールするツールとインストール先ディレクトリを選択します。
次へ進みます。
Zabbix エージェントのツール選択画面(WindowsへZabbix agentをインストールする手順)

コンフィグ設定画面です。
入力した内容に基づき、zabbix.confファイルが生成されます。
ホスト名などの情報を指定します。

※IPアドレスを複数利用する場合は、カンマ区切りで設定します。
※Add agent location to the PATHにチェックを入れると、インストールと同時にZabbixエージェントの場所をシステムPATH変数に追加することができます。

Zabbix エージェントの設定画面(WindowsへZabbix agentをインストールする手順)
インストール確認画面です。
Zabbix エージェントをインストールします。
Zabbix エージェントのインストール確認画面(WindowsへZabbix agentをインストールする手順)
完了画面が表示されます。
Finishを選択してセットアップウィザードを終了します。
Zabbix エージェントのセットアップウィザード完了画面(WindowsへZabbix agentをインストールする手順)
インストールディレクトリを確認します。
関連するパッケージがインストールされています。
zabbix_agent2.confやzabbix_agent2.logファイルも作成されてます。
Zabbix エージェントのインストールディレクトリ(WindowsへZabbix agentをインストールする手順)
Windowsのサービスを確認します。
Zabbix Agent 2のサービスが作成されています。
サービスの状態も起動中となっています。
Zabbix エージェントのWindows サービス(WindowsへZabbix agentをインストールする手順)

Zabbix エージェントのバージョンなどをコマンドで確認

zabbix_agent2コマンドを使用して、バージョン情報などを確認できます。

Zabbix Agentのコマンドを確認

# zabbix_agent2のバージョンを表示
PS C:\Program Files\Zabbix Agent 2>
.\zabbix_agent2 -V
zabbix_agent2 Win64 (Zabbix) 7.0.13
Revision f2c8021b636 20 May 2025, compilation time: 2025-07-01 14:37:44, built with: go1.23.9
Plugin communication protocol version is 6.4.0

# zabbix_agent2の内容をチェック
PS C:\Program Files\Zabbix Agent 2>
.\zabbix_agent2 -T
Validating configuration file “C:\\Program Files\\Zabbix Agent 2\\zabbix_agent2.conf"
Validation successful

※Zabbixエージェントインストール時に、Add agent location to the PATHにチェックを入れておくと、Zabbixエージェントの場所をシステムPATH変数に追加することができます。
※Zabbixエージェントの場合は、zabbix_agentコマンドを使用します。
※zabbix_agent2 -hで、コマンドのヘルプが表示されます。

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LinuxへZabbix エージェントをインストールする手順

Zabbix エージェントのインストール手順を確認

Zabbix エージェントのインストール手順を公式サイトで確認します。

Get Zabbix

Zabbix エージェントのインストール手順を確認
Zabbix Packagesを選択します。

Zabbixのバージョン、インストールするOSのディストリビューションやバージョンを選択します。
Zabbix ComponentにはAgent2を選択します。
インストール手順が表示されます。

※epelリポジトリの無効化は該当する場合のみ、設定します。
※Zabbix agent2 pluginは必要な場合のみインストールします。

 

Zabbix エージェントをインストール

Zabbixエージェントをインストールします。
今回は、Zabbix サーバーのバージョンに合わせて、7.0.13をインストールします。

Zabbix エージェントをインストール

# Zabbix公式リポジトリを追加
[root@vm-02 ~]#
rpm -Uvh https://repo.zabbix.com/zabbix/7.0/rocky/9/x86_64/zabbix-release-latest-7.0.el9.noarch.rpm
Retrieving https://repo.zabbix.com/zabbix/7.0/rocky/9/x86_64/zabbix-release-latest-7.0.el9.noarch.rpm

warning: /var/tmp/rpm-tmp.zzqb7X: Header V4 RSA/SHA512 Signature, key ID b5333005: NOKEY
Verifying…                          ########### [100%]
Preparing…                          ########## [100%]
Updating / installing…
   1:zabbix-release-7.0-5.el9         ######### [100%]

# dnfのキャッシュを全消去
[root@vm-02 ~]#
dnf clean all

# zabbix-agent2パッケージのバージョン一覧を表示
[root@vm-02 ~]#
dnf list –showduplicates zabbix-agent2  
Last metadata expiration check: 0:08:18 ago on Wed Jul 26 06:17:21 2025.
Available Packages
zabbix-agent2.x86_64   7.0.0-release1.el9    zabbix
zabbix-agent2.x86_64   7.0.1-release1.el9    zabbix
~中略~
zabbix-agent2.x86_64   7.0.13-release1.el9  zabbix
zabbix-agent2.x86_64   7.0.14-release1.el9  zabbix
zabbix-agent2.x86_64   7.0.15-release1.el9  zabbix
zabbix-agent2.x86_64   7.0.16-release1.el9  zabbix

# zabbix-agent2パッケージをインストール
# バージョンを指定しない場合は、dnf install -y zabbix-agent2

[root@vm-02 ~]#
dnf install -y zabbix-agent2-7.0.13-release1.el9
Last metadata expiration check: 0:10:54 ago on Wed Jul 26 06:17:21 2025.
Dependencies resolved.
=========================================
 Package           Architecture      Version     Repository    Size
=========================================
Installing:
 zabbix-agent2    x86_64    7.0.13-release1.el9    zabbix    6.2 M

Transaction Summary
=========================================
Install  1 Package
~中略~
Complete!

zabbix_agent2.confを設定

Zabbix エージェントを設定します。
設定ファイルは、zabbix_agent2.confになります。
基本的に必要となる設定は、3か所になります。

    • Hostname
      • ホスト名を指定
      • Zabbixのアクティブチェック時に送信に使用
      • Zabbix サーバー上で登録されているホスト名と同じ名前にしておく必要があります
    • Server
      • Zabbix エージェントがアクセスを許可するZabbix サーバーのIPアドレスまたはDNS名を指定
      • パッシブチェックの場合に使用
      • すべてのZabbix サーバーからアクセスを許可する場合は0.0.0.0/0を指定
    • ServerActive
      • Zabbix エージェントがアクティブチェックで送信先とするZabbix サーバーまたはZabbix プロキシのIPアドレスやDNS名を指定
      • アクティブチェックをの場合に使用

※ListenPortの設定もあります。
※Server=0.0.0.0/0の指定は、セキュリティ上推奨される設定ではありません。

zabbix_agent2.confを設定
[root@vm-02 ~]# vi /etc/zabbix/zabbix_agent2.conf

#受信元となるZabbix サーバーやZabbix プロキシのIPアドレスやアドレスレンジを指定

      68 ### Option: Server

     80 # Server=
     81
     82 Server=0.0.0.0/0 

# 送信先となるZabbix サーバーやZabbix プロキシのIPアドレスを指定
    110 ### Option: ServerActive
    133 # ServerActive=
    134
    135 ServerActive=127.0.0.1
    136

# Zabbix サーバーへデータ送信する際のホスト名を指定
    137 ### Option: Hostname
    144 # Hostname=
    145
    146 Hostname="ホスト名を設定(今回の場合は、"vm-02″を指定)

Zabbix エージェントの自動起動設定

Zabbixエージェントを起動し、自動起動を有効にします。

 
# Zabbix エージェントを起動
[root@vm-02 ~]#
systemctl start zabbix-agent2

# Zabbix エージェントの自動起動設定

[root@vm-02 ~]#
systemctl enable zabbix-agent2
Created symlink /etc/systemd/system/multi-user.target.wants/zabbix-agent2.service → /usr/lib/systemd/system/zabbix-agent2.service.

# Zabbix エージェントのステータスを確認
[root@vm-02 ~]# systemctl status zabbix-agent2
● zabbix-agent2.service – Zabbix Agent 2
     Loaded: loaded (/usr/lib/systemd/system/zabbix-agent2.service; enabled; preset: disabled)
     Active: active (running) since Wed 2025-07-26 06:34:15 UTC; 19s ago
   Main PID: 63804 (zabbix_agent2)
      Tasks: 8 (limit: 48687)
     Memory: 14.7M
        CPU: 41ms
     CGroup: /system.slice/zabbix-agent2.service
             └─63804 /usr/sbin/zabbix_agent2 -c /etc/zabbix/zabbix_agent2.conf

Jul 26 06:34:15 vm-02 systemd[1]: Started Zabbix Agent 2.
Jul 26 06:34:15 vm-02 zabbix_agent2[63804]: Starting Zabbix Agent 2 (7.0.13)
Jul 26 06:34:15 vm-02 zabbix_agent2[63804]: Zabbix Agent2 hostname: [vm-02]
Jul 26 06:34:15 vm-02 zabbix_agent2[63804]: Press Ctrl+C to exit. 

Zabbix エージェントのバージョンなどをコマンドで確認

zabbix_agent2コマンドを使用して、バージョン情報などを確認できます。

Zabbix Agentのコマンドを確認

[root@vm-02 ~]# zabbix_agent2 -V
zabbix_agent2 (Zabbix) 7.0.13
Revision 42673dd61ca 20 May 2025, compilation time: May 20 2025 10:52:42, built with: go1.24.1
Plugin communication protocol version is 6.4.0

[root@vm-02 ~]# zabbix_agent2 -T
Validating configuration file “/etc/zabbix/zabbix_agent2.conf"
Validation successful

※Zabbixエージェントの場合は、zabbix_agentコマンドを使用します。
※zabbix_agent2 -hで、コマンドのヘルプが表示されます。

Zabbix エージェントのログ出力場所

デフォルトでは、/var/log/zabbix/ディレクトリにログが出力されます。
Zabbix Agent 2の場合、zabbix_agent2.logという名前のログファイルが生成されます。

Zabbix エージェントのバイナリファイルの場所

パッケージからZabbix Agent 2をインストールした場合、バイナリファイルは/usr/sbin/zabbix_agent2に配置されます。

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最後に

Zabbixエージェントの概要と、WindowsやLinuxへのインストール手順を確認しました。
引き続き、いろいろ試してみたいと思います。

Zabbixでホストを追加登録する場合の手順については、こちらで紹介しています。

Zabbix サーバーの構築手順については、こちらで紹介しています。

Zabbix サーバーのHAクラスター構成手順については、こちらで紹介しています。

Zabbix プロキシの構築手順については、こちらで紹介しています。
Zabbix プロキシグループの設定やHA構成の手順も確認しています。

Zabbixのアクションのメール送信でSendGridを使う方法は、こちらで紹介しています。

Zabbixを利用したAzureのリソース監視設定方法ついては、こちらで紹介しています。

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