Azure Database for PostgreSQL フレキシブルサーバーの概要から作成手順纏め

Azure,Database for PostgreSQL

Azure Database for PostgreSQL フレキシブルサーバー(Azure Database for PostgreSQL flexible server)の概要から設定内容やリソース作成手順について纏めてみました。

Azure Database for MySQLフレキシブル サーバーについてはこちらで纏めています。

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Azure Database for PostgreSQL フレキシブルサーバーとは

Azure Database for PostgreSQLとは

Azure Database for PostgreSQL とは

Azure Database for PostgreSQLはとしてPaaS(Platform as a Service) として提供されるリレーショナル データベース サービスになります。
バックアップやパッチ適用と言った運用作業もプラットフォーム側のサービスとして提供されます。

3種類のデプロイモードがある

Azure Database for PostgreSQLにはフレキシブル サーバーと単一サーバーのデプロイモードがあります。
今回は触れませんが、その他にAzure Cosmos DB for PostgreSQLがあります。

比較表 – Azure Database for PostgreSQL の単一サーバーとフレキシブル サーバー

基本的には同様の機能が提供されますが、フレキシブルサーバーではストレージサイズが最大16TBまでサポートされます。
HAなどのサポートやメンテナンス時間が指定(曜日や時間指定(1時間幅))出来る点なども単一サーバとは違います。

一方でプライベート アクセスのみをサポート、Microsoft Defender for Cloudがサポートされないなどの制限もあります。

※フレキシブル サーバーの利用が推奨されています。(2023年1月現在)

Azure Database for PostgreSQLフレキシブル サーバーとは

Azure Database for PostgreSQL フレキシブル サーバーは、データベース管理機能や運用管理機能がセットになったフル マネージド データベース サービスです。
データベースや管理機能、パッチ適用やバックアップなど運用管理機能がサービスとして提供されます。
ゾーン冗長、Geo冗長のバックアップ、レプリケーションと言った高可用性な構成が可能です。

概要 – Azure Database for PostgreSQL – フレキシブル サーバー

PostgreSQL 11、12、13 および 14 のコミュニティ バージョンがサポートされています。(2023年1月現在)
停止する事で課金を止める事が出来たり、バーストモデル(Bシリーズ)をサポートするなどお財布にも優しくなっています。

※一言で言うとOSの触れないAzure VM(仮想マシン)+PostgreSQL+バックアップ+冗長化+パッチ適用運用などがセットで構成されているものと言うイメージです。

サーバー名、ネットワーク接続方法、バックアップ冗長については変更できない

リソース作成後に変更できない内容があります。
HA(高可用性を有効にする)については有効無効化する事が出来ます。

リソース作成時のメッセージ
リソース作成時に注意メッセージが表示されます。
サーバー名、ネットワーク接続方法、バックアップ冗長などが変更できません。

Azure Database for PostgreSQLフレキシブル サーバーをデプロイ

公式サイトを参考にリソース作成を進めてみます。

クイック スタート:Azure portal 内で Azure Database for PostgreSQL – フレキシブル サーバーを作成する

※各設定項目の詳細は公式サイトも併せて参照願います。

設定内容

今回作成したAzure Database for PostgreSQLフレキシブル サーバーの主な設定内容です。

  • 基本設定
区分 項目 設定値
サーバーの詳細 サーバー名 test-postgresql-flexible-server
場所 East US
PostgreSQLバージョン 14
コンピューティング Compute tier 汎用 (2 から 64 個の仮想コア) 
Standard_D2ds_v4
ストレージ ストレージ サイズ 32GiB
高可用性 高可用性 有効
高可用性モード ゾーン冗長
バックアップ バックアップ保有期間 7日間
バックアップ冗長オプション
(Geo 冗長性)
ゾーン冗長(Geo冗長(チェック有))
  • ネットワーク設定
区分 項目 設定値
ネットワーク接続 接続方法 パブリック アクセス (許可されている IP アドレス)
ファイアウォール規則 ファイアウォール規則名 クライアントのIPを許可設定
  • セキュリティ設定
区分 項目 設定値
データ暗号化 ユーザー割り当てマネージド ID 未設定(Geo冗長の場合は設定できません)

※タグについては未付与としています。

作成画面

作成タブは5つのタブから構成されます。

    • 作成タブ
      • 基本:リソースサイズ、可用性、アカウント、バックアップなどのサーバー設定
      • ネットワーク:ネットワークアクセス設定
      • セキュリティ:カスタムマネージドキーを使ったデータの暗号化設定
      • タグ:リソースに付与するタグの設定
      • 確認および作成:作成前の確認画面
作成画面
Azure Portalの検索欄でPostgreSQLと入力します。
Azure Database for PostgreSQLフレキシブル サーバーを選択します。
作成を選択します。
Azure Database for PostgreSQLフレキシブル サーバーの作成画面が表示されます。

基本設定

サーバー名、リソースサイズ、可用性設定などAzure Database for PostgreSQLフレキシブル サーバー自体の設定を行います。

    • 基本設定:サーバー名やPostgreSQLバージョンと言ったPostgreSQL自体の設定
    • サーバーの構成設定:リソースサイズ、高可用性などのリソース自体の設定

※サブスクリプション、リソースグループは自身の環境に合せて設定します。

基本設定、サーバーの構成設定

サーバーの詳細設定画面です。
サーバー名を入力し、リージョンを選択します。
PostgreSQLバージョンは11から14の間から選択します。(2023年1月現在)

サーバの構成を選択します。

サーバーの構成設定画面が表示されます。
コンピューティングでコンピューティングサイズやストレージサイズ、などを設定します。

プロセッサはAMDかIntelか選択出来ます。
プロセッサによりコンピューティングサイズに表示されるモデルが変わります。(今回はIntelを選択)
コンピューティングサイズが大きくなるほど最大IOPSも変わります。

IOPSはストレージサイズに応じて変わります。

高可用性やバックアップ設定を行います。
高可用性を有効にすると高可用性モードの設定が表示されます。
同じゾーンでの冗長とゾーン冗長から選択します。
Geoバックアップを有効にする場合は、Geo冗長性にチェックを入れます。
サーバーの詳細設定画面に戻ります。

ネットワーク設定

Azure Database for PostgreSQLフレキシブル サーバーへのアクセス制限を設定します。
アクセス制限は接続方法、ファイアウォール規則、仮想ネットワーク等を組合せて設定します。

ネットワーク設定

接続方法でパブリックを選択した場合です。
ファイアウォール規則で接続許可するIPアドレスを追加します。
現在のクライアントIPアドレスを追加する設定とします。

 

現在のクライアントIPアドレスを追加した場合、ClientIPAddressと言う許可設定が追加されます。
接続方法をプライベートアクセス(VNET統合)を選択した場合、統合する仮想ネットワーク、サブネットを指定します。
プライベートDNSゾーンも統合されます。

セキュリティ設定

カスタムマネージドキーを使ったデータ暗号化設定が出来ます。
カスタムマネージドキーを使ったデータ暗号化の詳細についてはこちらを参照ください。

カスタマーマネージド キー (CMK) を使用した Azure Database for PostgreSQL – フレキシブル サーバーでのデータ暗号化

セキュリティ設定

geo冗長バックアップの場合は設定できません。
そのまま進めます。

リソース作成

確認画面で設定内容を確認しリソースを作成します。

確認画面

確認画面で設定内容を確認します。
作成を選択します。

※高可用性を有効にした場合は料金は2倍になります。

作成されたリソースを確認

作成されたAzure Database for PostgreSQLフレキシブル サーバーのリソースを確認します。

作成後の確認
リソース作成が完了すると一覧に表示されます。
状態も利用可能となっている事が確認出来ます。

コンピューティングとストレージのリソースメニューを確認します。
サーバーの構成で設定した内容が確認出来ます。

※ストレージサイズの拡張は出来ますが縮小は出来ません。

ネットワークのリソースメニューを確認します。
ネットワークで設定した内容が確認出来ます。

※接続方法は変更できません。

高可用性のリソースメニューを確認します。
サーバーの構成で設定した高可用性の内容が確認出来ます。
高可用性の有効無効は変更可能です。

バックアップと復元のリソースメニューを確認します。
初回バックアップが取得されている事が確認出来ます。

Azure Database For PostgreSQLフレキシブルサーバーの起動停止についてはこちらに纏めています。

見積額(課金額)

作成したAzure Database for PostgreSQL フレキシブル サーバーのリソース課金額(予定額)を確認します。

Azure Database for PostgreSQL の価格

課金額
コンピューティング、ストレージ、高可用性(冗長)に課金が発生している事が分かります。高可用性で冗長すると課金額が倍になります。

メンテナンス時間の設定

Azure Database for PostgreSQL フレキシブル サーバーではメンテナンス時間を1時間単位の幅で選択する事が出来ます。
時間設定はUTCになります。

Azure Database for PostgreSQL の予定メンテナンス設定の管理 – フレキシブル サーバー

メンテナンス時間設定
メンテナンスのリソースメニューで設定出来ます。
カスタムスケジュールを選択すると曜日、開始時刻を選択出来ます。

サーバーパラメータを変更

サーバーパラメータの構成はAzure PortalやAzure CLIを使って出来ます。

Azure Database for PostgreSQL – フレキシブル サーバーのサーバー パラメーター
Azure portal を使用して Azure Database for PostgreSQL – フレキシブル サーバーでサーバー パラメーターを構成する

サーバーパラメータの変更
サーバーパラメータのリソースメニューを選択するとサーバーパラメータが表示されます。

データベースを新規追加

Azure Portalからデータベースの追加、削除が出来ます。

データベースの作成
データベースのリソースメニューを選択します。
追加を選択するとデータベースの作成が表示されます。
名前を入力して保存するとデータベースが作成されます。
作成されたデータベースは一覧で表示されます。
削除も可能です。

最後に

Azure Database for PostgreSQLフレキシブル サーバーの概要から設定内容、作成手順まで簡単に纏めてみました。
コンピューティングサイズの選択、ストレージサイズ、ゾーン冗長なども簡単に設定出来てとても便利かと思いました。
特にフレキシブル サーバーではメンテナンス時間の設定も出来るのはとても良いかと思います。
今後も引き続き色々試してみたいと思います。

Azure Database for PostgreSQLフレキシブル サーバーのバックアップリストアについてはこちらで纏めています。
併せて見て頂けると有難いです。

Azure Database for PostgreSQLフレキシブル サーバーの読み取り専用レプリカ作成(レプリケーション設定)についてはこちらに纏めています。

Azure Database for MySQLフレキシブル サーバーについてはこちらで纏めています。

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