Azure Monitorの動的しきい値監視でストレージサイズの自動拡張を検知

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Azure Monitorの動的しきい値を利用したアラートルールを使って、リソースの自動拡張を検知する方法です。
Azure Database for MySQL フレキシブル サーバーのストレージサイズ自動拡張を例として、Azure Monitorでアラートを検知する手順をまとめています。

マネージドデータベースでは、CPUやメモリなどのリソースを選択することができます。
その1つにストレージサイズがあり、自動拡張することもできます。
ストレージサイズはコストにも影響するため、自動拡張を検知するアラートルールについて確認しました。

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ストレージサイズの自動拡張を検知するための動的しきい値アラートルール設定

ストレージサイズに関連するメトリック

ストレージサイズに関するメトリックとして、3つの項目を確認できました。

    • Storage Limit:ストレージ使用容量上限
    • Storage Percent:ストレージの使用率
    • Storage Used:ストレージの使用容量
  • Azure Monitorの画面

ストレージのサイズを表すメトリックはStorage Limit

Storage Limitは、ストレージサイズを示すメトリックです。
この値が増加したことを検知すれば、自動拡張をアラートとして通知できます。

動的しきい値を使う事で自動拡張を検知できそう

Azure Monitorでは、一定値を超えた場合にアラートを発生させることができます。
設定したストレージサイズをしきい値として指定することで、自動拡張を検知できます。

  • アラートロジック

その設定では、リソースごとに設定値を変更する必要があり、運用が煩雑になりそうです。

アラートロジックのしきい値には動的しきい値という設定があります。
動的しきい値は、異常値を検知するために使用され、これを利用することで、これまで一定だった値に変動が発生した場合に異常として検知できます。

Azure Monitor の動的しきい値を使用したメトリック アラート

動的しきい値の感度は、高・中・低から選択することができます。
感度を高く設定すると、わずかな変化でも検知できるようになります。

この動的しきい値を活用することで、ストレージサイズの自動拡張などの変化を検知できそうです。

動的しきい値を使ったアラートルールの作成手順

Storage Limitのアラートルールを作成

Azure Database for MySQL フレキシブルサーバーのStorage Limit(メトリック)を例に、動的しきい値のアラートルールを作成します。

アラートルールの作成
Azure Database for MySQL フレキシブルサーバーのリソースメニューにある警告を選択します。
作成にあるアラートルールの作成を選択します。
Azure Database for MySQL フレキシブルサーバの警告画面(追加)
シグナルでStorage Limitを選択します。 Azure Monitorのアラートルール作成画面(シグナル設定)

アラートロジックの設定です。
しきい値で動的を選択します。
演算子は次の値より大きい、集計の種類は最大値、しきい値の感度は高を選択します。

今回は評価基準や詳細設定はデフォルトのままとしています。

※詳細設定で、しきい値の感度を調整することができます。

Azure Monitorのアラートルール作成画面(動的しきい値設定)
アクショングループを選択します。
アクショングループは環境に合わせて選択します。
Azure Monitorのアラートルール作成画面(アクショングループ選択)

詳細タブでアラートルール名等の設定を行います。
今回は【test-mysql-db-01】データベースの自動拡張が発生しましたと言うアラートルール名にしています。

確認および作成を選択します。

Azure Monitorのアラートルール作成画面(詳細設定)
作成したアラートルールが、一覧に表示されます。 Azure Monitorのアラートルール一覧画面

動的しきい値のアラートルールは作成直後にアクティブにならない

動的しきい値のアラートルールは、作成直後にはアクティブになりません。
異常値かどうかを判断するための履歴データが存在しないためです。

  • 履歴データが無い場合のエラーメッセージ

Azure Monitorの動的しきい値のアラートルールで履歴が無い場合のエラー画面

Azure Database for MySQL フレキシブルサーバーの場合、サーバーを停止していると履歴データが蓄積されません。
動的しきい値を利用するためには、サーバーを起動した状態で少なくとも3日分以上の履歴データが必要です。

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ストレージサイズを拡張して動的しきい値のアラートルールの動作確認

ストレージサイズを拡張

ストレージサイズを手動で拡張し、動作を確認します。
Azure Database for MySQL フレキシブルサーバーのストレージサイズを変更します。

ストレージサイズを拡張
コンピューティングとストレージのリソースメニューを選択します。
ストレージサイズを拡張して保存を選択します。
Azure Database for MySQL フレキシブルサーバのストレージサイズを変更画面

※ストレージの拡張時には再デプロイが発生します。

ストレージサイズの拡張に関するアラートを確認

Azure Database for MySQL フレキシブルサーバーでアラートが発生しているか確認します。

アラートを確認
ストレージサイズが拡張したことを検知した、アラートが発生しています。 Azure Monitorのアラート発生画面
動的しきい値でアラート発生した時の詳細画面

最後に

Azure Monitorの動的しきい値を使ってアラートルールを作成することで、ストレージサイズの自動拡張を検知できました。
今回はAzure Database for MySQL フレキシブルサーバーのストレージサイズの自動拡張で試しましたが、他の自動でリソースが変動するサービスにも適用できそうです。

引き続き、いろいろと試してみたいと思います。

Azure Database for MySQL フレキシブルサーバーの概要やリソース作成手順については、こちらで紹介しています。

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