Azure Database for MySQL フレキシブルサーバーの概要から作成手順を纏めてみた

2020-11-06Azure,Database For MySQL

Azure Database for MySQL フレキシブルサーバー(Azure Database for MySQL flexible server)の概要から設定内容やリソース作成手順について纏めてみました。

Azure Database for PostgreSQL フレキシブルサーバーについてはこちらで纏めています。

※2023年1月に記事を刷新しました。

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Azure Database for MySQL フレキシブルサーバーとは

Azure Database for MySQLとは

Azure Database for MySQL とは

Azure Database for MySQLは、MySQL Community Edition をベースとしてPaaS(Platform as a Service) として提供されるリレーショナル データベース サービスになります。
バックアップやパッチ適用と言った運用作業もプラットフォーム側のサービスとして提供されます。
2023年1月現在では5.7と8.0が提供されています。

※サーバーパラメータの変更など制限される部分もあります。

2種類のデプロイモードがある

Azure Database for MySQLには、フレキシブル サーバーと単一サーバーの2種類のデプロイモードがあります。

Azure で適切な MySQL サーバー オプションを選択する

基本的には同様の機能が提供されます。
プライベートエンドポイントのサポート可否、Microsoft Defender for Cloud サポート可否、メンテナンス管理(曜日や時間指定)がユーザーで実施出来るかなどに違いがあります。
フレキシブル サーバーの場合は停止すると課金も停止します。

※フレキシブル サーバーの利用が推奨されています。(2023年1月現在)

Azure Database for MySQLフレキシブル サーバーとは

Azure Database for MySQL フレキシブル サーバーは、データベース管理機能や運用管理機能がセットになったフル マネージド データベース サービスです。
MySQL Community Edition をベースとしたデータベースや管理機能、パッチ適用やバックアップなど運用管理機能がサービスとして提供されます。
ゾーン冗長、Geo冗長のバックアップ、レプリケーションと言った高可用性な構成も可能です。

Azure Database for MySQL – フレキシブル サーバー

※一言で言うとOSの触れないAzure VM(仮想マシン)+MySQL+バックアップ+冗長化+パッチ適用運用などがセットで構成されているものと言うイメージです。

サーバー名、ネットワーク接続方法、バックアップ冗長については変更できない

リソース作成後に変更できない内容があります。
HA(高可用性を有効にする)については有効無効化する事が出来ます。

リソース作成時のメッセージ
リソース作成時に注意メッセージが表示されます。
サーバー名、ネットワーク接続方法、バックアップ冗長などが変更できません。

Azure Database for MySQLフレキシブル サーバーをデプロイ

公式サイトを参考にリソース作成を進めてみます。

クイック スタート:Azure portal を使用して Azure Database for MySQL フレキシブル サーバーを作成する

※各設定項目の詳細は公式サイトも併せて参照願います。

設定内容

今回作成したAzure Database for MySQLフレキシブル サーバーの主な設定内容です。

  • 基本設定
区分 項目 設定値
サーバーの詳細 サーバー名 test-mysql-flexible-server
MySQLバージョン 8.0
コンピューティング Compute tier 汎用 (2 から 64 個の仮想コア) 
ストレージ ストレージ サイズ 20GiB
IOPS 370IOPS(事前プロビジョニング済みの IOPS)
※設定変更確認用として10IOPS追加しています。
ストレージの自動拡張 有り
高可用性 高可用性 有効
高可用性モード ゾーン冗長
バックアップ バックアップ保有期間 7日間
バックアップ冗長オプション
(Geo 冗長性)
チェック有(Geo冗長)
  • ネットワーク設定
区分 項目 設定値
ネットワーク接続 接続方法 パブリック アクセス (許可されている IP アドレス)
ファイアウォール規則 ファイアウォール規則名 クライアントのIPを許可設定
  • セキュリティ設定
区分 項目 設定値
データ暗号化 ユーザー割り当てマネージド ID 未設定

※タグについては未付与としています。

作成画面

作成タブは5つのタブから構成されます。

    • 作成タブ
      • 基本:リソースサイズ、可用性、アカウント、バックアップなどのサーバー設定
      • ネットワーク:ネットワークアクセス設定
      • セキュリティ:カスタムマネージドキーを使ったデータの暗号化設定
      • タグ:リソースに付与するタグの設定
      • 確認および作成:作成前の確認画面
作成画面
Azure Portalの検索欄でMySQLと入力します。
Azure Database for MySQLフレキシブル サーバーで作成を選択します。
Azure Database for MySQLフレキシブル サーバーの作成画面が表示されます。

基本設定

サーバー名、リソースサイズ、可用性設定などAzure Database for MySQLフレキシブル サーバー自体の設定を行います。

    • 基本設定:サーバー名やMySQLバージョンと言ったMySQL自体の設定
    • サーバーの構成設定:リソースサイズ、高可用性などのリソース自体の設定

※サブスクリプション、リソースグループは自身の環境に合せて設定します。

基本設定、サーバーの構成設定
サーバーの詳細設定です。
サーバー名、リージョンなどを選択します。
MySQLバージョンは5.7と8.0から選択します。(2023年1月現在)
サーバーの構成を選択します。
サーバーの構成設定画面が表示されます。
コンピューティングでコンピューティングサイズやストレージサイズ、IOPSなどを設定します。
サーバーの構成設定です。
高可用性やバックアップ設定を行います。
高可用性を有効にすると高可用性モードの設定が表示されます。
同じゾーンでの冗長とゾーン冗長から選択します。
サーバーの構成設定で設定値に合せて設定します。
保存を選択します。
サーバーの構成設定の設定値などがサーバーの詳細設定に反映されている事を確認します。
管理者アカウントで管理者ユーザー名、パスワードを設定します。

ネットワーク設定

Azure Database for MySQLフレキシブル サーバーへのアクセス制限を設定します。
アクセス制限は接続方法、ファイアウォール規則、仮想ネットワーク等を組合せて設定します。

ネットワーク設定

接続方法でパブリックを選択した場合です。
ファイアウォール規則で接続許可するIPアドレスを追加します。

※今回は現在のクライアントIPアドレスのみを許可する設定としています。

 

現在のクライアントIPアドレスを追加した場合、ClientIPAddressと言う許可設定が追加されます。
接続方法をプライベートアクセス(VNET統合)を選択した場合、統合する仮想ネットワーク、サブネットを指定します。
プライベートDNSゾーンも統合されます。

セキュリティ設定

カスタムマネージドキーを使ったデータ暗号化設定が出来ます。
カスタムマネージドキーを使ったデータ暗号化の詳細についてはこちらを参照ください。

カスタマー マネージド キー データ暗号化 – Azure Database for MySQL – フレキシブル サーバー

セキュリティ設定

ユーザー割り当てマネージドID設定やキーの選択します。

※今回は未設定としています。

リソース作成

確認画面で設定内容を確認しリソースを作成します。

確認画面
確認画面で設定内容を確認します。
問題が無ければ作成します。

作成されたリソースを確認

作成されたAzure Database for MySQLフレキシブル サーバーのリソースを確認します。

作成後の確認
リソース作成が完了すると一覧に表示されます。
状態も利用可能となっている事が確認出来ます。

コンピューティングとストレージのリソースメニューを確認します。
サーバーの構成で設定した内容が確認出来ます。

※ストレージサイズの拡張は出来ますが縮小は出来ません。IOPSは随時変更可能です。

ネットワークのリソースメニューを確認します。
ネットワークで設定した内容が確認出来ます。

※接続方法は変更できません。

高可用性のリソースメニューを確認します。
サーバーの構成で設定した高可用性の内容が確認出来ます。

※高可用性の有効無効を変更すると再デプロイが実行されます。

Azure Database for MySQL フレキシブルサーバーのバックアップリストアについてはこちらで纏めています。

ーーー

見積額(課金額)

作成したAzure Database for MySQL フレキシブル サーバーのリソース課金額(予定額)を確認します。

Azure Database for MySQL の価格

課金額
コンピューティング、ストレージ、IOPS、高可用性(冗長)に課金が発生している事が分かります。
高可用性で冗長すると課金額が倍になります。

メンテナンス時間の設定

Azure Database for PostgreSQL フレキシブル サーバーではメンテナンス時間を1時間単位の幅で選択する事が出来ます。
時間設定はUTCになります。

Azure Database for MySQL での予定メンテナンス – フレキシブル サーバー

メンテナンス時間設定
メンテナンスのリソースメニューで設定出来ます。
カスタムスケジュールを選択すると曜日、開始時刻を選択出来ます。

サーバーパラメータを変更

サーバーパラメータの構成はAzure Portal(もしくはAzure CLI)を使って出来ます。

Azure portal を使用して Azure Database for MySQL – フレキシブル サーバーのサーバー パラメータを構成する

サーバーパラメータの変更
サーバーパラメータのリソースメニューを選択するとサーバーパラメータが表示されます。変更不可のものはグレーアウトされています。

データベースを新規作成

Azure Portalからデータベースの作成も出来ます。

Azure Database for MySQL フレキシブル サーバーでデータベースを作成して管理する

データベースの作成
データベースのリソースメニューを選択します。
追加を選択するとデータベースの作成が表示されます。
名前を入力して保存するとデータベースが作成されます。
作成されたデータベースは一覧で表示されます。
削除も可能です。

最後に

Azure Database for MySQLフレキシブル サーバーの概要から設定内容、作成手順まで簡単に纏めてみました。
ストレージサイズとIOPSを個別に設定出来たり、ゾーン冗長なども簡単に出来てとても便利かと思いました。
特にフレキシブル サーバーではメンテナンス時間の設定も出来るのはとても良いかと思います。
今後も引き続き色々試してみたいと思います。

Runbookを使った自動起動停止はこちらでやっています。併せて見て頂けるとありがたいです。

Azure Database for PostgreSQL フレキシブルサーバーについてはこちらで纏めています。

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