2025-07-26 Others , Zabbix
Zabbix エージェントの概要とインストール手順です。
WindowsとLinuxの場合のインストール手順を確認しています。
※Zabbixのバージョンは、7.0LTS(7.0.13)を利用しています。
※WindowsはWindows Server 2025を利用しています。
※LinuxはRocky Linuxは、Rocky Linux release 9.5(Blue Onyx)を利用しています。
※Zabbix Agent 2で手順を確認していますが、Zabbix Agentも同様の手順でインストールできます。
※手順の確認はrootユーザーで実施しています。環境に合わせてsudoコマンド利用してください。
Zabbix エージェントの概要
Zabbix エージェントとは
CPU使用率などのリソース情報やアプリケーションの稼働情報を収集する役割を担います。
収集した情報をZabbix サーバーと通信する役割も担います。
監視対象のサーバーにインストールして使用します。
Zabbix AegntとZabbix Aegnt2がある
Zabbix AgentとZabbix Agent 2があります。
Zabbix Agent 2は新世代のエージェントと位置付けられており、従来のZabbix Agentよりも多くの機能をサポートしています。
Zabbix エージェント
Zabbix エージェント2
Zabbix エージェントのサポートOS
Zabbix AgentはWindowsやLinuxなど、多くのOSをサポートしています。
サポートするプラットフォーム
Zabbix AgentとZabbix Agent 2ではサポートされるOSが一部異なります。
Zabbix AgentはC言語で開発されていますが、Zabbix Agent 2はGo言語で実装されています。
そのため、Zabbix Agent 2では古いバージョンのWindowsがサポート対象外となっているため、その点に注意が必要です。
Zabbix サーバーとの通信方法にはパッシブチェックとアクティブチェックがある
Zabbix エージェントとZabbix サーバー間の通信方法には、パッシブチェックとアクティブチェックの2種類があります。
パッシブチェックでは、Zabbix サーバーからのリクエストに対してZabbix エージェントが応答します。
アクティブチェックでは、Zabbix エージェント自身でデータを収集してZabbix サーバーに定期的に送信します。
どちらのタイプを使うかは、監視アイテムの種類ごとに設定します。
Zabbix エージェントのバージョン
Zabbix エージェントのバージョンは、Zabbix サーバーと異なっても動作します。
Zabbix サーバーのバージョンが新しく、Zabbix エージェントのバージョンが同じか古い組み合わせはサポートされています。
WindowsへZabbix エージェントをインストールする手順
Zabbix エージェントのパッケージをダウンロード
Zabbix エージェントのインストールパッケージを公式サイトからダウンロードします。
Get Zabbix
Zabbix エージェントのパッケージをダウンロード
Zabbix Agentsを選択します。
インストールするOSのディストリビューションやバージョン、ハードウェア、Zabbixのバージョン、暗号化の有無、ダウンロード方式などを選択します。
ダウンロードするZabbix Agentのバージョンも選択可能です。
今回は、Windows向けの7.0 LTSパッケージをMSI形式でダウンロードします。
※今回は、Zabbix サーバーのバージョンに合わせて、Zabbix エージェントもv7.0.13を指定してダウンロードしています。
Zabbix エージェントをインストール
Zabbix エージェントをインストールします。
セットアップウィザードを利用してZabbix エージェントをインストールします。
インストール時にZabbix エージェントの設定を行います。
MSIでWindowsエージェントのインストール
Host Name
ホスト名を指定
Zabbixのアクティブチェック時に送信に使用
Zabbix サーバー上で登録されているホスト名と同じ名前にしておく必要があります
Zabbix Server IP/DNS
Zabbix エージェントがアクセスを許可するZabbix サーバーのIPアドレスまたはDNS名を指定
パッシブチェックの場合に使用
すべてのZabbix サーバーからアクセスを許可する場合は0.0.0.0/0を指定
Zabbix listen Port
Zabbix サーバーからZabbix エージェントに接続する際に使用するポート番号
デフォルトは10050番ポートを使用
Server or Proxy for active checks
Zabbix エージェントがアクティブチェックで送信先とするZabbix サーバーまたはZabbix プロキシのIPアドレスやDNS名を指定
アクティブチェックをの場合に使用
※ホスト名には、実際のサーバーのホスト名と異なる値を指定することもできます。
※Zabbix Server IP/DNSに0.0.0.0/0指定する設定は、セキュリティ上推奨されません。
Zabbix エージェントのバージョンなどをコマンドで確認
zabbix_agent2コマンドを使用して、バージョン情報などを確認できます。
Zabbix Agentのコマンドを確認
# zabbix_agent2のバージョンを表示
PS C:\Program Files\Zabbix Agent 2>
.\zabbix_agent2 -V
zabbix_agent2 Win64 (Zabbix) 7.0.13
Revision f2c8021b636 20 May 2025, compilation time: 2025-07-01 14:37:44, built with: go1.23.9
Plugin communication protocol version is 6.4.0
# zabbix_agent2の内容をチェック
PS C:\Program Files\Zabbix Agent 2>
.\zabbix_agent2 -T
Validating configuration file “C:\\Program Files\\Zabbix Agent 2\\zabbix_agent2.conf"
Validation successful
※Zabbixエージェントインストール時に、Add agent location to the PATHにチェックを入れておくと、Zabbixエージェントの場所をシステムPATH変数に追加することができます。
※Zabbixエージェントの場合は、zabbix_agentコマンドを使用します。
※zabbix_agent2 -hで、コマンドのヘルプが表示されます。
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LinuxへZabbix エージェントをインストールする手順
Zabbix エージェントのインストール手順を確認
Zabbix エージェントのインストール手順を公式サイトで確認します。
Get Zabbix
Zabbix エージェントのインストール手順を確認
Zabbix Packagesを選択します。
Zabbixのバージョン、インストールするOSのディストリビューションやバージョンを選択します。
Zabbix ComponentにはAgent2を選択します。
インストール手順が表示されます。
※epelリポジトリの無効化は該当する場合のみ、設定します。
※Zabbix agent2 pluginは必要な場合のみインストールします。
Zabbix エージェントをインストール
Zabbixエージェントをインストールします。
今回は、Zabbix サーバーのバージョンに合わせて、7.0.13をインストールします。
Zabbix エージェントをインストール
# Zabbix公式リポジトリを追加
[root@vm-02 ~]#
rpm -Uvh https://repo.zabbix.com/zabbix/7.0/rocky/9/x86_64/zabbix-release-latest-7.0.el9.noarch.rpm
Retrieving https://repo.zabbix.com/zabbix/7.0/rocky/9/x86_64/zabbix-release-latest-7.0.el9.noarch.rpm
warning: /var/tmp/rpm-tmp.zzqb7X: Header V4 RSA/SHA512 Signature, key ID b5333005: NOKEY
Verifying… ########### [100%]
Preparing… ########## [100%]
Updating / installing…
1:zabbix-release-7.0-5.el9 ######### [100%]
# dnfのキャッシュを全消去
[root@vm-02 ~]# dnf clean all
# zabbix-agent2パッケージのバージョン一覧を表示
[root@vm-02 ~]# dnf list –showduplicates zabbix-agent2
Last metadata expiration check: 0:08:18 ago on Wed Jul 26 06:17:21 2025.
Available Packages
zabbix-agent2.x86_64 7.0.0-release1.el9 zabbix
zabbix-agent2.x86_64 7.0.1-release1.el9 zabbix
~中略~
zabbix-agent2.x86_64 7.0.13-release1.el9 zabbix
zabbix-agent2.x86_64 7.0.14-release1.el9 zabbix
zabbix-agent2.x86_64 7.0.15-release1.el9 zabbix
zabbix-agent2.x86_64 7.0.16-release1.el9 zabbix
# zabbix-agent2パッケージをインストール
# バージョンを指定しない場合は、dnf install -y zabbix-agent2
[root@vm-02 ~]#
dnf install -y zabbix-agent2-7.0.13-release1.el9
Last metadata expiration check: 0:10:54 ago on Wed Jul 26 06:17:21 2025.
Dependencies resolved.
=========================================
Package Architecture Version Repository Size
=========================================
Installing:
zabbix-agent2 x86_64 7.0.13-release1.el9 zabbix 6.2 M
Transaction Summary
=========================================
Install 1 Package
~中略~
Complete!
zabbix_agent2.confを設定
Zabbix エージェントを設定します。
設定ファイルは、zabbix_agent2.confになります。
基本的に必要となる設定は、3か所になります。
Hostname
ホスト名を指定
Zabbixのアクティブチェック時に送信に使用
Zabbix サーバー上で登録されているホスト名と同じ名前にしておく必要があります
Server
Zabbix エージェントがアクセスを許可するZabbix サーバーのIPアドレスまたはDNS名を指定
パッシブチェックの場合に使用
すべてのZabbix サーバーからアクセスを許可する場合は0.0.0.0/0を指定
ServerActive
Zabbix エージェントがアクティブチェックで送信先とするZabbix サーバーまたはZabbix プロキシのIPアドレスやDNS名を指定
アクティブチェックをの場合に使用
※ListenPortの設定もあります。
※Server=0.0.0.0/0の指定は、セキュリティ上推奨される設定ではありません。
zabbix_agent2.confを設定
[root@vm-02 ~]#
vi /etc/zabbix/zabbix_agent2.conf
#受信元となるZabbix サーバーやZabbix プロキシのIPアドレスやアドレスレンジを指定
68 ### Option: Server
80 # Server=
81
82 Server=0.0.0.0/0
# 送信先となるZabbix サーバーやZabbix プロキシのIPアドレスを指定
110 ### Option: ServerActive
133 # ServerActive=
134
135 ServerActive=127.0.0.1
136
# Zabbix サーバーへデータ送信する際のホスト名を指定
137 ### Option: Hostname
144 # Hostname=
145
146 Hostname="ホスト名を設定(今回の場合は、"vm-02″を指定)
Zabbix エージェントの自動起動設定
Zabbixエージェントを起動し、自動起動を有効にします。
# Zabbix エージェントを起動
[root@vm-02 ~]#
systemctl start zabbix-agent2
# Zabbix エージェントの自動起動設定
[root@vm-02 ~]#
systemctl enable zabbix-agent2
Created symlink /etc/systemd/system/multi-user.target.wants/zabbix-agent2.service → /usr/lib/systemd/system/zabbix-agent2.service.
# Zabbix エージェントのステータスを確認
[root@vm-02 ~]#
systemctl status zabbix-agent2
● zabbix-agent2.service – Zabbix Agent 2
Loaded: loaded (/usr/lib/systemd/system/zabbix-agent2.service; enabled; preset: disabled)
Active: active (running) since Wed 2025-07-26 06:34:15 UTC; 19s ago
Main PID: 63804 (zabbix_agent2)
Tasks: 8 (limit: 48687)
Memory: 14.7M
CPU: 41ms
CGroup: /system.slice/zabbix-agent2.service
└─63804 /usr/sbin/zabbix_agent2 -c /etc/zabbix/zabbix_agent2.conf
Jul 26 06:34:15 vm-02 systemd[1]: Started Zabbix Agent 2.
Jul 26 06:34:15 vm-02 zabbix_agent2[63804]: Starting Zabbix Agent 2 (7.0.13)
Jul 26 06:34:15 vm-02 zabbix_agent2[63804]: Zabbix Agent2 hostname: [vm-02]
Jul 26 06:34:15 vm-02 zabbix_agent2[63804]: Press Ctrl+C to exit.
Zabbix エージェントのバージョンなどをコマンドで確認
zabbix_agent2コマンドを使用して、バージョン情報などを確認できます。
Zabbix Agentのコマンドを確認
[root@vm-02 ~]#
zabbix_agent2 -V
zabbix_agent2 (Zabbix) 7.0.13
Revision 42673dd61ca 20 May 2025, compilation time: May 20 2025 10:52:42, built with: go1.24.1
Plugin communication protocol version is 6.4.0
[root@vm-02 ~]#
zabbix_agent2 -T
Validating configuration file “/etc/zabbix/zabbix_agent2.conf"
Validation successful
※Zabbixエージェントの場合は、zabbix_agentコマンドを使用します。
※zabbix_agent2 -hで、コマンドのヘルプが表示されます。
Zabbix エージェントのログ出力場所
デフォルトでは、/var/log/zabbix/ディレクトリにログが出力されます。
Zabbix Agent 2の場合、zabbix_agent2.logという名前のログファイルが生成されます。
Zabbix エージェントのバイナリファイルの場所
パッケージからZabbix Agent 2をインストールした場合、バイナリファイルは/usr/sbin/zabbix_agent2に配置されます。
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最後に
Zabbixエージェントの概要と、WindowsやLinuxへのインストール手順を確認しました。
引き続き、いろいろ試してみたいと思います。
Zabbixでホストを追加登録する場合の手順については、こちらで紹介しています。
Zabbix サーバーの構築手順については、こちらで紹介しています。
Zabbix サーバーのHAクラスター構成手順については、こちらで紹介しています。
Zabbix プロキシの構築手順については、こちらで紹介しています。
Zabbix プロキシグループの設定やHA構成の手順も確認しています。
Zabbixのアクションのメール送信でSendGridを使う方法は、こちらで紹介しています。
Zabbixを利用したAzureのリソース監視設定方法ついては、こちらで紹介しています。