WordPress on Azure App Serviceを使って10分でデプロイ

App Service,Azure

AzureのMarketplace(マーケットプレイス)には、WordPressのテンプレート(WordPress on Azure App Service)が用意されています。
このテンプレートを利用することで、Azure App Service上にWordPressを簡単かつ迅速に(約10分程度で)デプロイすることができます。

今回は、このテンプレートを使い、Azure App Service(Linux)上へのWordPressデプロイから、作成されたリソースの確認までの手順を紹介します。

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WordPress on Azure App Serviceのデプロイ手順

Azure App Serviceとは

Azure App Serviceは、PaaSとして提供されるWebアプリケーションホスティングプラットフォームです。

App Service の概要

仮想マシンを直接管理することなく、Webアプリケーションを展開できます。

作業手順

Marketplaceで"WordPress"と検索し、デプロイするだけで利用できます。
事前に準備が必要なリソースはありません。

今回設定したパラメータ

設定するパラメータも非常にシンプルです。
デプロイするリージョン、App Serviceのサイズ、WordPressの管理者情報のみを指定するだけで、簡単にセットアップできます。

区分 項目 今回設定した値
App Service関連  リソースグループ名 TEST-AppService-WordPress
地域(リージョン) East US
名前(インタンスの詳細) wordpress-testsite
オペレーティング システム Linux (プレビュー)
ホスティング プラン Basic
コンテンツの配布 CDN エンドポイント
WordPress関連 管理者のメール wordpress-kanrisha@tama-negi.com
管理者ユーザー名 wordpress-kanrisha
管理者パスワード 任意
サイトの言語 日本語

※ご利用の環境に合わせて、必要に応じて設定内容を調整してください。

WordPress on Azure App Serviceのデプロイ

MarketplaceからWordPressをデプロイします。

WordPress サイトの作成

WordPressをデプロイ
MarketplaceでWordPressと入力して検索します。

WordPressが表示されます。
作成を選択します。

作成画面が表示されます。
今回はリソースグループも新規作成します。
新規作成を選択し、リソースグループ名を入力してOKを選択します。

 

デプロイするリージョンやサイズを選択します。
基本タブでWordPressの管理者設定も行います。
名前はWordPressのアクセスURLの一部として使用されます。
Advancedタブでは、WordPressの言語とコンテンツキャッシュの設定を選択できます。
今回は、コンテンツ配布(キャッシュ)についてはデフォルト設定のCDNエンドポイントを使用します。

確認画面が表示されます。
ホスティングプランで指定した設定値に基づいて、App Serviceプランとデータベースのサイズが自動的に設定されます。
作成を選択すると、リソースが作成されます。

 

作成されたリソース

作成時の確認画面にも表示されていますが、App Service関連のリソースだけでなく、その他にも複数のリソースが作成されます。
データベースはAzure Database for MySQL フレキシブルサーバーが自動的に作成されます。

※作成時に指定したApp Service以外のリソース名は、Azureによって自動的に割り当てられます。

作成されたリソース

作成されたリソース

  • App Service
  • App Serviceプラン
  • プライベートDNSゾーン
  • 仮想ネットワーク
  • CDNプロファイル
  • エンドポイント
  • Azure Database for MySQL フレキシブルサーバー

※コンテンツの配布でBlob Storageを選択した場合、CDNプロファイルやエンドポイントの代わりにストレージアカウント(Blobコンテナー)が作成されます。

ホスティングプランごとのリソースサイズ

ホスティングプランの指定によって、デプロイされるリソースのサイズが決定されます。

ホスティングプラン App Service Plan Azure Database For MySQL フレキシブルサーバー
Basic Basic(B1) Standard B1ms
1 vCores, 2 GiB RAM, 32 GiB storage, 400 IOPS
Standard PremiumV2(P1V2) D2ds_v4
2 vCores, 8 GiB RAM, 128 GiB storage, 700 IOPS
Premium PremiumV3(P1V3) Standard_E4ds_v4
2 vCores, 16 GiB RAM, 256 GiB storage, 1100 IOPS

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WordPress on Azure App Serviceでデプロイされたリソースの確認

WordPress

作成したWordPressにブラウザでアクセスしてみます。

ブラウザでアクセスして確認
アクセス先のURLはApp ServiceのURLです。

URLでアクセスするとトップページが表示されます。

※Azure上でのデプロイ完了後、トップページが表示されるまで数分待つ必要がある場合があります。

デプロイ時に設定したアカウントとパスワードで、WordPressの管理者画面にログインできます。

デフォルトでキャッシュ関連のプラグインが有効化されています。

    • Smush
    • W3 Total Cache

App Service

作成されたApp Serviceリソースについて確認します。

App Serviceの構成を確認

左側のメニューでスケールアップを選択し、価格レベルを確認します。B1が選択されていることが分かります。

構成を確認すると、アプリケーション設定に各変数が設定されていることが分かります。

ネットワーク設定を確認します。
VNET統合が有効になっていることが確認できます。

初期設定では受信トラフィックのアクセス制限は無効になっており、すべてのIPからアクセス可能な状態です。

※デフォルト状態では外部に公開された状態となります。必要に応じてアクセス制限を行います。

Azure App Serviceのアクセス制限設定については、こちらで紹介しています。

CDNプロファイル

作成されたCDNプロファイルを確認します。

CDNプロファイル
エンドポイントが構成されていることが確認できます。

Azure Database for MySQL フレキシブルサーバー

作成されたAzure Database for MySQL フレキシブルサーバーを確認します。

Azure Database For MySQL フレキシブルサーバー
左側のメニューで価格レベルを選択します。
Standard B1ms (1 vCore, 2 GiB メモリ, 32 GiB ストレージサイズ)で作成されていることが確認できます。

ネットワーク設定を確認します。
プライベートが選択されており、VNET統合されていることが確認できます。

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最後に

とても簡単にAzure上にWordPressをデプロイすることができました。
App Serviceを使っているため、カスタムドメインの利用やHTTPS化も非常に簡単に行えます。
WordPressの変数も自動的に設定されており、短時間で簡単にデプロイできるのは非常に便利だと感じました。

引き続き、いろいろ試してみたいと思います。

App Serviceでのカスタムドメイン設定手順については、こちらで紹介しています。

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