| タマネギの栄養的な特徴としては糖質にオリゴ糖が多いこと、たんぱく質はすべての必須アミノ酸を含み、 とくに硫黄を含むアミノ酸が多いことなどがあげられます。オリゴ糖は腸内の善玉 菌(ビフィズス菌など)の 働きを助け、硫黄を含むアミノ酸は動脈硬化の予防に役立つとされています。 しかし、タマネギの薬効食品たるゆえんは大量 に含まれている生理活性成分にあります。タマネギの生理活性 成分には多くの種類がありますが、硫黄を含む有機化合物(含硫有機化合物)とフラボノイドの一種である ケルセチンに大別できます。 タマネギには多種大量の含硫有機化合物が含まれています。タマネギの主要な薬理作用にはすべて、この含硫有機化合物が関係しています。含硫有機化合物はネギ、ニラ、ニンニク、ラッキョウなど他のネギ属の野菜にも含まれています。 ネギ属の野菜に特有のにおいは含硫有機化合物によるものです。 しかし、含硫有機化合物は植物によって化学的な構造が異なり、効能にも大きなちがいがあります。 タマネギに含まれる含硫有機化合物は量が多いだけでなく、他の植物にはみられないほど多彩 な効能を もっています。 タマネギの含硫有機化合物はもともと球根に存在する成分、タマネギを切ったときに酵素(アリナーゼ)と 反応して生じる成分、蒸留した油分に存在する成分の三つに分類できます。目を刺激して涙を流させる成分 は球根に含まれている成分(イソアリイン)が酵素反応をおこして生じたものです。 フラボノイドの一種であるケルセチンもタマネギの薬効に関係する重要な成分です。フラボノイドは 植物に含まれる色素の一部で、植物を紫外線から守る役目をもっていますが、ヒトの体内でもすぐれた 抗酸化作用を発揮することが報告されています。 従って、活性酸素(反応性の強い有害な酸素)によって おきるガン・動脈硬化の予防効果が期待されます。実際、最近の疫学的な調査の結果 も、フラボノイドの多い食品を常食すると、ガンや虚血性心疾患のリスクが減少することを裏付けています。 タマネギにみられるガンや動脈硬化の抑制作用も、含硫有機化合物とともにフラボノイドの一種である ケルセチンが関係していると考えられます。ケルセチンはいろいろな野菜、果 物、お茶などに含まれていますが、食生活の調査結果から、タマネギ、リンゴ、お茶がもっとも重要な摂取源とされています。 ケルセチンの吸収率は食品によって異なりますが、タマネギのケルセチンはもっとも吸収のよいものである ことが分かっています。 タマネギにはほかに、グルタチオンという3つのアミノ酸からなる物質が含まれていて、解毒・肝機能強化、 眼の保護、酸化防止などの役目を果たしています。 |